2006.4.18 >TOP
わたしは私




初夏のような春の午後
渡る風は南風
庭の砂利に影を落とす
五月の空に舞う鯉のぼり
いや洗濯物の下着の影

庭には一枚のマット
当然私のためのもの
それがどういう訳か
黒い影に取られている
わたしは仕方なくタイルの上
それでも気持ちいい春の午後

あわれや哀れ
私の顔
顔半分が白髪になって
寝ている枕は縁石の上
それでもいいと見る夢は
お腹一杯のヨーグルト

横で寝ている黒い影
にくたらしいが憎めない
よだれを垂れてないかいな
いまか今かとよだれ垂れ
いつもヨーグルトを待っている

それ見て主人の言うことにゃ
想像力が豊かだと
何処に行ってもよだれ垂れ
恥ずかしいことこの上ない
たんに食い意地強いだけ

渡る風は春の風
花の香含んだ南風
黒い影に邪魔されず
お腹一杯のヨーグルト
わたしは私の夢の中

陽気が良くて頭がおかしくなった訳ではありません。念のため。
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