’01.4.7

春も本番を迎え、日中の日差しは暑くさえ感じるようになりました。散って行く桜の花の枝には、やっと出番が来たと青い桜の新芽が一斉に顔を覗かせています。
今まで黒い枝しかなかった木が、ある日突然枝が見えなくなるほどの薄紅色の花びらに被われ、そして花びらの散った後には新緑の葉帽子が枝一杯いに現れる。桜ってほんとに春を告げる木だなと思います。

夕食の前に散歩へ出かけました。裏の原っぱの先はにんじん畑が広がっていて、冬の間被っていたビニールを取り外している最中です。中からは立派に成長したにんじんの葉が、待ってましたとばかり出てきます。これが5月のはじめには、もう収穫できるほど成長するのです。
にんじんの収穫は朝が早っくって、朝の3時頃からエンジンの音を響かせて根こそぎ土を引っかいては掘り起こして行きます。そんなことを思い出しながら、あたりを一周して散歩はおわりです。

6時過ぎてもまだあたりは明るく、白いお月さんが屋根の上にあります。日もすっかり長くなりました。主人の夕食のお祈りも、最近は短くなったんで助かります。たまに何を思ったのか長いこともありますが、冬のあいだは総じて短く助かりました。暖かくなってくると、また長くなるんでしょう、心配です。
わたしが食事の間、主人はベンチに座って食事の様子を見てます。

食事もそこそこにして、そこそこと言っても食器はしっかりとなめ回してベンチのほうへ行きます。そっとベンチに足を掛け、ゆっくりと登って主人の膝に前足を乗せ伏せをします。少しづつあたりが暗くなりました。
げぶ・・いけない、計らずも食事の後のげっぷが出てしまいました。路地の向こうで、人の出入りするような音がしますが、鼻と耳だけで様子を伺います。何時の間にか主人の手が頭を撫でています。
「降りて、家に入るか」 ちょっと間を置いて、わたしは主人の膝から飛び降りて主人の立ち上がるのを待ちます。後はゲージに入って・・・寝るだけです。わたしも6月が来ると5歳になります。