’01.7.29

ターン、・・・、ターン 遠くでスズメおどしの空気銃の音がします。庭に出て見るとひんやりした空気です。何かしら、一足飛びに秋がきたような錯覚にとらわれます。一瞬、さびしい気持ちになりました。
朝食をして、ちょっと遅目の散歩に出かけました。幸い今日も曇り空です。

定番の、花見川に向かう田圃に出ました。稲を見ると、何時の間にやらみんな一斉に稲穂をつけているではありませんか。その上を飛び交うスズメ達も、心なしかうれしそうに見えます。
こんもりと木の生えている道端を通ると、今まで聞かなかった油蝉の鳴き声がやたらうるさく感じます。しばらくして、ああ、やっと蝉も本格的に鳴き始めたんだと気が付きます。
連日の猛暑から開放されて、ちょっとあたりを見まわすと秋と夏が同居しているような、そんな気がしました。また、明日から30度を越える夏が戻ってくるとの予報です。

日が沈んでクーラーからも開放され、庭に出てみました。珍しく心地よい風が抜けて行きます。遠くのほうでドーンという花火の音がしています。
裏庭の野原からは、まだ遠慮がちな虫の声がしています。毎年やかましく鳴く鈴虫の声はまだしていません。昼から夜に舞台は変わっても、ほんのちょっぴり秋の気配を感じます。

「ラムは随分すっきりした体つきになったじゃ〜ないの」 とお母さん。「やっと抜け毛も終わって、すっかり夏の装いになったせいかな」
実はわたしもすっきりした体形になったなと思っていたのです。それがお昼の散歩のとき、花見川の川沿いで黄ラブの女の子に出会いました。その子はやけに背中の毛を立てて来るのです。
「少しこうふんのようですネ、何歳ですか」と主人。「1歳になります。ええ、少しこぶりでして。お宅のは大柄ですね」 少しこうふんを少しこぶりと聞き違えた挙句、わたしを大柄とは・・余ほど耳と目の悪い飼い主とお見受けしました。
すっきりした体つきになったというお母さんの言葉に、いい気持でいたのに、ふと散歩の時の会話を思い出したりして、そして秋の気配も感じるし。
ああ、どうか夏さん、食欲の秋さんにもう暫く来ないでと言ってください。どうぞわたしに痩せる時間を与えてください。お願いします。夏さ〜ん。