’03.2.3

一月は「行ってしまう」、二月は「逃げてしまう」、三月は「去ってしまう」。この月の日が過ぎてゆく速さを言ったものだと、主人が得意げに教えてくれました。真意の程は分かりませんが、何かと行事があったり、一ヶ月の日数の短いこともあったり、そんなことで日の経つのが早い気がするのかもしれません。もう2月になりました。

わたしもこの一ヶ月は余り外に出ることもなく、ぼんやりと居間のソファーで過ごす日が多く、お陰で体重も少し増えたのではないかと心配しています。
主人の腰もだいぶ落ち着いてきたようですが、外は相変わらずの寒気と強風、北国の方にしてみれば何とたわけたことをと言われそうですが、一緒に外に出ることがめっきり少なくなりました。
そんなことを気にしたのか、陽気がいいからなのか昼過ぎてから主人と散歩に出かけました。

花見川半周のショートコースです。歩く速度が遅いこともあって、草の茂みや電信柱で立止って臭いを嗅いでいると、きゅっとチョークが入りました。
散歩も終わりに近づいて、家に帰る途中にある原っぱを、右回りで帰るか左回りにするか、右側には原っぱの入り口があって我が家の庭と隣り合っています。左は途中にワンちゃんのいる家があるくらいです。当然どちらを選択するかは主人にあるのでありますが、左回りに歩き始めた途端、わたしは立止ってじっと主人の顔を見たのであります。
主人も立止って、わたしの顔を見ています。リードが来いとわたしを引っ張ります。わたしもいやだと引っ張ります。その瞬間、わたしのお尻に主人の回し蹴りが飛んできたのであります。

午後の3時半を過ぎた頃、庭に出してもらいました。かれこれ30分近く庭で過ごし、そろそろ夕食の時間になりました、いや、わたしはそう思いました。日は随分と傾き、冷たい風が庭を吹き抜けます。
夕食が来る気配が一向にしないので、わたしは催促の鳴きを入れてみました。鳴きの間隔もだいぶ短くなった頃、突然玄関のドアが開いて、主人の顔が出てきたのであります。「しまった」と思ったのですが後の祭り、
「うるさい!、ずいぶん我がままになったなったもんだな、ラムは」

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