’03.5.30

ここ二日ばかり主人がいなくって、三日ぶりの散歩に出掛けました。今日は花見川の対岸に渡らず、こちら側の道を汐留橋まで往復です。そろそろ梅雨が近いとみえて、空気も随分と湿気を持っています。九州の方では早々と台風4号が上陸する気配、この時期の上陸は観測史上3番目に早いとか。
途中、京葉高速道路の高架橋の下を通ります。この高架橋で何とも可愛そうな光景を見てしまったのであります。

この季節は鳥達の子育ても佳境に入り、最初の雛が巣立ちする時期です。散歩道ではすずめをはじめ、ムクドリ、カラス、うぐいす、かも、鵜、山鳩など多くの鳥をみかけます。
高架橋の下を通っていると、頭の上でムクドリが異常なまでに奇妙な声で鳴いています。上を見上げると、橋げたに止まったカラスにムクドリが懸命に威嚇をして鳴いていました。
余りの剣幕にカラスも居たたまれなくなったと見えて、田圃の向うの民家の塀に向かって飛んで行きました。その後をムクドリもなおも威嚇をして鳴きながら追ってゆきましたが、カラスが塀に止まるとUターンして、橋げたの方に戻りました。それでも奇妙な鳴き声は止みません。
塀に止まったカラスを見るともう一羽塀に止まっているカラスがいて、足元をついばんでいます。よく見ると、ねずみのようなものを足で押さえて食べています。わたし達が傍を通ると、口にくわえてあぜ道の方へ逃げて降りました。その時見たものは・・・、それはねずみではなくて、灰色の毛に覆われた鳥でした。
そうか、橋げたの巣か、またはたまたま止まっていたムクドリの雛を、カラスが襲って捕まえたに違いない。そう思って高架橋の方を見ると、何羽かのムクドリが遠巻きにしてその様子を見ています。

自然のこととはいえ、あの憎っくきカラスめと思いながら、その現場を通り過ぎたのでありした。