ラムのハウスは、玄関に置かれたゲージがそうです。朝、食事が済んで一休みしたタイミングに、お母さんが靴磨きのため玄関に立ちます。平日の朝毎日見られる光景ですが、ラムとお母さんの会話が始まります。

靴を磨く動作に反応してただウ〜とかア〜とか言っているだけですが、お母さんの話しかけに妙に同期が取れているので、傍から見ているとあたかも会話をしているように見えるのが不思議です。お母さんはそれでいて会話したつもりになっているので、ひょっとしたらラムもそのつもりかも知れません。

ラムを見ていると、いくつかの仕草でこちらに言葉を投げかけています。”尻尾を振る”、”毛を逆立てる”はその代表でしょう。さらに良くする仕草は、”あくびをする”、”耳を後ろに寝かす”、”そっぽを向く”があります。いわゆる「カーミングシグナル」と言われるものですが、同じ仕草でも状況が微妙に違う場合があるので、今度は何と言っているのかなと考えると結構面白いものです。

”そっぽを向きながら耳を後ろに寝かす”と言う複合語で話されると、こちらも解釈に迷います。外出から帰ってきて、ゲージの中にいるラムにただいまと言いながら指を入れると決まってこの仕草をします。単に迷惑がっていると思うのは、人間社会で鍛えられたための解釈であって、汚れの無いワンちゃんの世界ではもっと違う意味があると思います。いずれその意味を分かりたいと思います。

あくびの仕草ははっきりしているので、どういう状況にあるときに話しかけるかが比較的良く分かります。うれしい気持ちを表す時は、同時に声を伴う時があるので、そのうれしい気持ちの度合いが一層伝わってきます。日記で紹介していますが、ラムは朝決まってわれわれに会うと「ワ〜ヨウ」とあくびをしながら声を出します。私たちはラムが朝のあいさつをしてくれていると思っていますが、これとても「さあ、今から朝食にありつける。うれしいな。」といっているのかもしれません。

仕草の語る言葉は、基本的な解釈がなされていますが、ワンちゃんの個性によっていろいろな解釈をしてやるのもワンちゃんと楽しく共生していく手段のように思います。