ドッグイヤーと言う言葉が盛んに言われ出したのは、’97から’98の頃ではなかったかと思います。インターネットが一般的になり、IT革命が進んで企業を取り巻く色々なスピードが早まったことに用いられました。言うまでもなくワンちゃんの成長は、人間の7倍くらいの速さで進むことから来ているようです。

一方人間社会では寿命がだんだんと延びて、数世代前に比べると1.5倍ぐらい長生きが出来るようになったと言われます。ドッグイヤーに比べヒューマンイヤーはどんどん遅くなってきているようです。老人が中年になり、中年が若者になると若者はどうなるか。この理屈で行くと、若者は小児、幼児になるのではと、新聞のコラムに書いていたのを見たように思います。

確かに若者の幼児化現象と思える出来事が、このところ多く発生しているのを見るに付け、科学、技術の進歩とは裏腹に、人間の心はだんだん幼くなって行っているように思います。ここ数年幼児や小学生が殺される事件を見ても、その加害者が若者であったり成人であっても、理由ややり方が極めて幼いように思います。捕まってみれば成人男子であっても、子供たちの目撃証言が、中学生だったようだと報じられたことなぞは、その時の犯人の立ち居振舞いが中学生のようだったのでしょう。

これからの私達がいつまでも若いのでなく、いつまでも年をとれずに幼いのだということであれば、言葉のあそびではなく真剣に考えねばならないことなのかもしれません。ドッグイヤーといわれるワンちゃんは、確実に成長し確実に年をとっていることを思うと、人間は人間社会がそれだけ難しくなって、年を取りたくない症候群になっているのかも知れません。