新聞・テレビで取り上げられない日がないほど、最近事故が多いいように思います。事故の種類も、ロケットの打ち上げ失敗のような事故から、水とアルコールを取り違えたような医療ミスなどその内容も多岐にわたっています。

ものを造る側からは、生産すると同じかそれ以上に出来あがったものが事故を起こさないように、大変な労力をかけていると言うでしょう。出来あがった製品が事故を起こさなくても、使い方を誤って事故を引き起こすことも少なくありません。

こうしてみると事故は、ものそのものの不具合による場合と、ものは具合良くともそれを扱う人間の問題で起きる場合のあることが分かります。事故の原因はそう簡単なものでないようです。しかしマスコミで報道される限りでは、何故こんなミスが起きるのだろうと思うのがとりわけ医療ミスです。点滴の薬を間違えて患者を死に至らしめた、容器が似ていて中身を確認せず水とアルコールを間違え急性アルコール中毒になった、また手術の患者を取り違えて別の患者に施す手術をしたなんぞは、全く信じられない事故と思います。なにも抵抗の出来ない患者に対しての、一方的な事故だけに憤りを感じます。なぜこんな事故が起きるのでしょう。

電車やバスに乗っていて、運転手さんが一人ぶつぶつ言っているのを良く見かけました。「定速進行」、「信号良し」、「右オーライ」。見ていて、こちらが恥ずかしいと思いながらも安心します。実はこの表面上極めて幼稚な(実はたいへん大事な)確認が、最近の医療ミスに見られるような、うっかりミスとも言える事故防止の基本ではないかと思います。

わたし達の日常で無意識にこなしている行動も基本と応用があって、いきなり応用から入っていくと、一見上手く行っているようでもとんでもない結果に終わることがあります。ゴルフなんかは、実感するその最たるものです。中学生や高校生がそんなに早くから大人の真似をしなくても良いとも思います。

仕掛けが複雑、しかもやるべき事が多くなった今の社会だからこそ、おごることなく愚直にやるべき事をやらねばならないと思います。

ワンちゃんも人間社会で共生して行く基本は躾です。躾も体が覚えた、言ってみれば条件反射になってはじめて本物と言えるでしょう。基本的な事は、それほどしっかり叩き込む必要があると思います。