1歳頃         5歳頃          5歳頃          11歳頃  

いま我が家にいるラムを飼う前に、「サンダー」というビーグル犬がいました。男の子で私達と12年間一緒に暮らしてくれました。12才の時に死んだのですが、人間の年にすると80才位になるでしょうか。もう少し管理が良ければ、もっと長生きをしてくれたのではと残念に思います。
折に触れ「サンダー」のアルバムを見るのですが、最近一つ気がついたことがあります。それは「サンダー」の顔つきと言うか、目つきというか目元の鋭さです。

上の三枚の写真は、左から1才、5才、11才の頃に撮った「サンダー」です。1才の頃の写真は見るからにやさしいと言うか、幼いと言う感じがします。
5才の頃の写真は、ご覧のように眼光鋭く見るものを威圧するような感じがします。3才から6才頃の写真を見ると、全般にこのような眼光鋭い顔をしているのには驚きました。思い起こしても、こんな恐い顔をした「サンダー」を思い出すことはできません。
ヨーデルのような声で吠え、散歩に行くといつも何かを追いかけて探しているような活発な動きをする、まさに猟犬の本性を発揮した陽気な犬でした。

一番右の写真は今から思うと死ぬ一年前の写真になります。顔つきは穏やかで口と目の回りに白髪が生え、見た目に老犬だなという雰囲気が漂っています。目は穏やかそのものです。
今更ながら一緒に生活していて、行動にしか気がつかなかった年齢の違いが、こんなにまでも顔つき、眼光に現れていることに驚きます。

この眼光の違いは一体なんだろう、人間に置き換えてみるとどういう事だろうと考えてしまいます。何でもできそうな目の光、恐れを知らない攻撃的な目、そして強い意志。
自分の一生を客観的に見ることも見通すこともできませんが、きっとこんな眼光鋭い時期がある、あるいはあったに違いありません。そんな時期、私は何をしていたか・・・。

いまラムと暮らしていて、ラムは丁度この眼光鋭い時期の真っ只中にいます。そう思ってラムの目を覗き込むと、ペロット私の鼻面をなめて不思議そうな顔をしていました。穏やかな目をして。