家内が入院して早1ヶ月が経過、突然家の仕事(家事)一切をまかされて、面食らうやら分からないやら、しばらくはパニック状態でした。そして、少しばかり家事に慣れ、今の状態が毎日のこととして定常状態になってから、あらためて家事のことを考えて見ると、何と仕事の多いことかと驚くと共に、家の仕事は言って見れば小さな会社を運営しているのと同じように思えてきました。

家屋、ガス、水道、電気、通信などの設備があり、経理を中心とした事務があり、ご近所、地域との係りを持つ営業・総務などまさに会社としての機能を持っています。
会社としてやって行くには、売上があって利益を出さなくてはなりませんが、比喩としては不謹慎かもしれませんが、作り出す製品は人間そのもの(単に子づくりという意味でなく、むしろ売上を大きするため人間性を高めることに主眼を置いて言っているつもるです)であり、この人間が収入即ち利益をもたらすと言ったら、あながち家庭を一つの会社と置き換えて考えることも、そう突飛なことでもないように思えます。

子供をもうけ、教育して社会人として成長させることは将来への投資であり、社会人として収入を得るようになると、ある時期迄は生まれ育った家庭の収入源になるでしょうし、一番の貢献は、回りまわって年金や税金の負担をしてくれることでしょう。
夫婦そのものはどうかというと、どちらか一方が売上をもたらす家庭もあるでしょうし、夫婦二人してもたらしている家庭もあるでしょう。私達夫婦のように、過去の蓄積である年金で、売上をもたらしている家庭もあります。
この家事という会社の仕事を一人でやってみて、家事の中身をあらためて実感し考え、夫婦の家事の、いや家庭という会社運営のあり方を今更ながら考え直しているところです。

先ず先行投資の子育てについては、私は男親としては失格の部類に入るでしょう。
家系という子孫を残すことの大きな意義を感じなくなってから、子孫を残すことの明確な目標が曖昧になりました。
家庭という各会社の考え方があるでしょうが、息子達には申し訳ないけれど、我が会社に問われると、はたと考え込んでしまいます。このことは本来は大事な問題なのですが、ここで取り上げようとするテーマの本題ではないので、深入りしないことにします。

次ぎはこのテーマの本題である会社を共同で運営する夫婦の役割について考えてみると、わが社の夫は売上を上げることにのみに汲々として、会社の運営そのものは妻に任せっぱなしになっていたことを後悔しています。その証として、暫定的に会社の運営を夫である私一人に任された今、日常の家庭の仕事の仕方が分かってないことに、慌てふためいているのです。
直面している家事の一例をを列挙しますと

設備関係、経理関係
・ガス、水道、電気、電話、テレビ、新聞などの支払いは
・浄化槽の点検は
・駐車料は何処に払いに行くのか、いつまで払っているのか
・貯金通帳、印鑑、カードの管理場所は、通帳と印鑑の関係は
・資産の全ての確認(妻の隠し資産はないか・・・多分ないとは思いますが・・・)
・・・
炊事関係、洗濯関係
・食品の管理場所は
・食品の賞味期限は
・食器、食品の保管場所の見直し(自分流への変更)
・下着類の管理場所は
・消耗品の管理場所とストックの確認
・毎日の献立とレシピ
・・・
営業関係、総務関係
・ゴミ分別の方法と収集日は
・ゴミ収集所の掃除当番は
・町内会費、当番は
・・・

これに子育ての家事が加わると、考えることが嫌になります。幸い子育てを卒業した我が家でもまだまだ予期せぬ家事がこれからも出てくると思われますが、家内からそのノウハウを聞けない今、もっと常日頃から家事の分担しておけばと後悔しております。
そうは言っても、家事が会社運営だと思うとやり甲斐もありますし、いろんな自分流の知恵もでてきて結構楽しいものだなと感じています。
家内が帰って来た時は、きっとすっかりワンマン経営者になっていて、役員会で更迭の動議が出されるのではと心配し、早くその日が来るのを切望している次第です。