’15.12.20
日経の夕刊から
医師の徳永進さんが、死を迎える人たちのために診療所「野の花診療所」を鳥取市に開設してから約15年。開設した当初から、家で最後の日々を送ろうとする人たちの力になりたいと思い、病棟と在宅の両方でホスピスケアを実践してきた人だ。

「絵に描いたようなエンディングないですね。実際、早く死にたいと言っていた人が、間際になると、もうちょっと生きたいと平気で言う。」
「死んではいけない、病気は治さないといけない、その通りです。しかし、間違いなく人は死んでいくんです。死を目前にオロオロしてもいいんです。死も悪くないと受け入れることです」

「白い紙に黒い墨で字を書く。『口』でも『目』でもいい。そこで白の部分が、どういう空間を作るか、分間布白はそこに目を向けようと言うものです。
臨床でいえば、手術や薬や採血検査、回診、これらは全て黒の墨の線。白はおしゃべりだったり、風呂や睡眠などの生活の時間です。
患者の暮らしや思い出など背景を知っていると解決できることがある。在宅ケアに携わる医師や看護師には分間布白の考え方が求められるんです」

「その家で死を遂げ、皆が死を見つめる在宅ホスピス。そこに日本独自の文化があるのではないか。在宅ケアに思いを込めるスタッフと力を合わせ、広げて生きたいと思います」

インタビューの見出しには「在宅ケアーには『宝石』が隠されている。在宅ケアーを「日本独自の『文化運動』として進めたい」とある。