’16.1.24
平成28年1月場所も無事千秋楽を迎えた。日本人が待ちに待った日本人力士が、期待通り10年振りの優勝だ。優勝したのは大関稀勢の里ではなく、同じ大関の琴奨菊だ。
テレビの解説者も大関琴奨菊の優勝は考えもしなかったといっていた。それほど、琴奨菊はここ暫く勝ち越すのが精一杯という成績だったからだ。何が変わったのか。
稀勢の里が優勝するには何かが足りないと言われていた。その何かかが、琴奨菊の今場所には分かって実践してきたのだろうか。

久しぶりにここ何日か大相撲をテレビで見た。昔のように誰かを贔屓にするというハラハラドキドキ感が全くなく、淡々と取り組みを見ることができた。それほど私は大相撲に白けていた。
そしてテレビに映る琴奨菊の所作を見て思ったことは、15日間同じ気持ち、緊張感を維持するのにものすごく努力していることだった。

優勝インタビューでは、この半年あるトレーナーに付き体を鍛えなおしたことと、場所中の毎日を同じルーティーンで過ごしたこと、平静な気持ちで自分の力を出し切ることに勤めたといっていた。
制限時間になってからの胸をそらす琴奨菊のルーティーンは有名だが、一日を同じルーティーンで過ごすのは容易なことではないだろう。以前NHKで琴奨菊の稽古を長い期間取材したテレビを見たことがある。胸をそらすのは、平常心を取りもどすルーティーンだとそのとき紹介していた。

これからの大相撲も日本人力士が自信を持って琴奨菊につづいてほしい。ことのほか稀勢の里は琴奨菊をお手本にして、15日間気を引き締めて自分の力を出し切ることだけを考えて取り組み、結果を出して欲しいものだ。