’16.8.11
年金生活をしていると自分の消費がどう経済に寄与しているのか、所詮税金を消費しているだけと思うとなんだか肩身が狭い。
区画整理で新築して住宅投資しても、所詮税金で新築していると思うと肩身が狭い。
我が家の近くは区画整理で個人住宅のほか、幹線道路沿いに賃貸住宅ばかりが建設されている。それだけの需要があるのだろうかと、余計な心配をしてしまう。
デフレ脱却で日銀は消費物価2%上昇を出したり引っ込めたりしているが、マイナス金利が思惑とは逆に物価を下げる奇妙な現象を起こすと新聞のコラムにあった。

現在、民間需要で最も活発なのは住宅投資たが、それは貸家の増加によって支えられている。貸家需要の増加には二つの理由があり、その一つは税制である。
所有する土地に貸家を建てると相続税の評価額が下がるので、節税になる。もう一つはマイナス金利政策である。マイナス金利を導入しながら大量の長期国債買い入れを続けているため、長期金利が大幅に低下している。この結果、住宅ローンやアパートローンの金利も低下する。
しかし、問題は人口減少社会である日本では、住宅の空家率が現在は約14%と急上昇していることにある。今のペースで貸家建設が進めば、さらに空き家が増えて家賃は大幅に下がるだろう。
本来、それで貸家の増加は止まるはずだが、節税が目的の家主は気にせず投資に励む。

消費者物価統計では家賃の影響が過大評価されている。この統計では実際の家賃だけでなく、帰属家賃といって持ち家でも家賃相当額を払っているように見なすため、消費者物価統計に占める実際の家賃のシェアは3%でも、帰属家賃を入れると家賃だけで消費者物価の2割近くが決まってしまうのだ。
帰属家賃は実際の家賃をもとに推計されるから、家賃が下がれば消費者物価全体を押し下げる。今後貸家需要が悪化すれば、無視できない物価下落要因となろう。結果として、マイナス金利政策による貸家建設増加が物価押し下げに働くことになる。

なんとも風が吹けば桶屋が儲かるような話ではあるが、何事も突き詰めていくとちゃんと理屈に合うから困ったものだ。
最初の年金生活者の話や、区画整理の建築投資も突き詰めていくと、肩身の狭い話ではないような理屈になるのだと信じているが。