’16.8.18
また賃貸住宅の話。周りの賃貸住宅建設ラッシュをみると異常さを感じるのだが、この近所のことではないにしても賃貸住宅が増えている記事が多い。日経の社説から。

賃貸住宅の建設が増えていることは目先の景気にはプラスだろうが、首都圏を中心に空室も増えているだけにバブルの懸念はないのか心配な面がある。
国土交通省によると、昨年の貸家の着工個数は前年よりも4.6%増えた。今年に入っても6月までの累計で前年同期を8.7%上回っている。
一方で住宅需要が高まっているわけではない点は要注意だろう。すでに全国には820万戸の空き家があり、その半分強は賃貸用の住宅だ。首都圏を中心に空室率が一段と上昇している。

それでも新規物件が増えている背景には、サブリース(転貸)方式でのアパート建設があるのだろう。土地を保有する個人などが建てたアパートを、業者が長期間にわたって一括借り上げる契約方式だ。一定期間、家賃収入を保証する場合が多い。
新築時には入居者を確保できたとしても、時間とともに空室は増える傾向にある。その結果、地主に約束していたはずの家賃収入を業者側が大幅に減額したり、契約を解除したりしてトラブルになる事例が、目だっていっる。

周辺の他の物件は空室が目立つのに、自分のアパートだけは大丈夫と考える方がおかしい。アパート経営には相応のリスクがあることを土地の保有者はしっかりと自覚すべきだろう。

区画整理で街が新しくなっていく。新年度になって鳴りを潜めている道路や宅地の築造が、秋風とともに始まって重機のうなる音が騒がしくなる。
いかにも活気のある風景だが、街はまだ生まれてない。通りすがりの見慣れない人の顔は、朝夕のあいさつの声をかけても知らん顔をして通り過ぎていく。この地で毎日を過ごして、遠くにお金を稼ぎに行く身であれば、町に住む年寄りはそこいらの電信柱と同じなのだろう。
そんな人たちが寄ってきて、新築の賃貸住宅に住むうちはいい。この人たちも何処かの住宅から新たしい住宅を求めて移り住んできたのだろう。
アパートばかりの街がこの先どんな町になっていくのか、見届けるには時間がない。