’19.3.08
韓国の本質がそれなりにわかる気がして、日経のコラムを引用する。

3月1日、ソウル。日本統治下の1919年に起きた最大の抗日運動「三・一運動」から100年の式典で、文大統領が「代表的な親日残滓の清算」を国民に呼びかけた。親日残滓の代表的な一つに「パルゲイン(赤い野郎)」という言葉がある。

韓国で「親日」とは、過去に日本の植民地統治に協力した人や組織、慣行を指す。日本からの独立後も追放されずに権力を持ち続けた保守政党や情報機関、検察などはその悪しき生き残りで、相容れない独立運動家を思想犯に仕立てるために、こうした勢力が生み出した呼称が「パルゲイン」だと文大統領は主張する。
文氏は、保守勢力が共産主義者だけでなく、民族主義者やアナキストまですべての独立運動家にパルゲインの烙印を押し、独立後は民主化運動などに対しても使われ、今も革新勢力を攻撃する手段になっていると保守勢力を批判したいのだ。
国を挙げて民族解放を祝う日にパルゲインを持ち出して「一日も早く清算しなければならない」と訴えたのはなぜか。最近支持率の落ちている文氏が属する革新勢力が、勢いを増してきた国内の保守勢力をを攻撃する手段に使ったんではないかという観測が出始めている。

権力機関から弾圧や拷問を受けた人々は、今もパルゲインや「従北(北朝鮮に従う人物)」との蔑称に特別な感情をかき立てられるという。
文氏がパルゲイン発言によって軍事独裁政権の流れをくむ保守政党をけん制し、革新勢力の再結集と人権に敏感な若年層の取り込みを図ったとみる。「親日残滓の清算」の本質は、韓国内の政争の産物に他ならない。

韓国の政治の歴史は保守と革新の争いで、保守が優勢な時は「親日」で革新が優勢な時は「反日」と理解すれば、韓国の日本に対する態度がそれとなく理解できるようである。