’19.4.5
かねがね土地の狭い海に囲まれたこの日本、今や経済ばかりを見てアメリカや中国に追い付け追い越せに血道を上げるのではなく、独自の平和で穏やかな国家にならないものがと夢想してた。
日経のコラム「大機小機」に、いささか溜飲の下がる記事が出ていたので例によってパくる

経済に限れば、平成は凋落の時代だった。「令和」改元を機に「経済大国」という自己認識をきっぱり捨てて、新しいモデルに挑んでみてはどうだろう。一人当たりで日本より豊かな国のリストを前にヒントを探し、二つの国が目に留まった。スイスとスウェーデンだ。

人口は日本の1割に満たない小国だが、ともに国際競争力ランキングで常に上位にいる。狭い国内市場のハンディーを乗り越え、グローバルな需要の取り込みに成功した。
食品のネスレ、医薬のノバルティス、金融のUSB、高級時計のロレックスなどは世界に知られたスイス企業だ。

スウェーデンが生んだのは通信機器のエリクソン、アパレルのH&M、家具のイケア、音楽配信のスポティファイなど。
日本と同じころバブルが崩れ、金融・財政危機に陥り、看板の高福祉の維持も危ぶまれたが、果敢な構造改革で成長と福祉を両立させた。
世界が顧客の両国だが「和して同ぜず」の気概がある。欧州にあってスイスは欧州連合(EU)に入らず、スウェーデンは加盟国だが、通貨クローナを堅持する。
小国なのに、両国とも世界への発信力で秀でている。毎年、1月はダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)に、12月はストックホルムのノーベル賞授賞式に、世界中のメディアが押し寄せる。

共通項がまだある。「平和」だ。スイスは永世中立国で知られ、スウェーデンも戦争に巻き込まれないできた期間が、200年を超えた。
「平成が戦争のない時代として終ろうとしていることに、心から安堵しています」と昨年の天皇誕生日を前に、陛下が話された。かけがえにない平成の遺産「平和」はしっかり引き継いで、量より質の存在感ある国を目指したい。

まったく同感だ。常日頃思っていた日本の姿を、うまい文章で書いてくれたと心から思った次第。