’20.5.29
いま世界は民主主義と独裁主義の覇権争いで揺れている。一昔前は米国とソ連だったが、今や役者が変わって米国と中国のつばぜり合いになっている。
その争いも去年までは結構危ういところまで緊迫していたが、新型コロナのパンデミックでそれどころではなくなった。世界は協調して疫病に対処するかと思いきや、その間隙をぬって中国が国力を振り回して覇権の地盤固めにうつつを抜かしている。

そんな民主主義が危うい中、民主主義を広めて世界制覇を目指している米国が、自ら民主主義を壊すような動きをしている。2016年末、予想もしなかったトランプ大統領が誕生して、米国の民主主義がおかしくなっている。トランプの独裁国家に成り下がろうとしているのだ。
そんな思いをしている中、民主主義を推進する道具であるネットに、またトランプが制限を掛けようとしている。そんなことが新聞のコラムに書いてあったので、例によってパくる。

トランプ米大統領が5月28日、ツイッターなどSNSの規制強化に向けた大統領令に署名した。SNSの運営会社が投稿内容に介入するのをけん制する狙いがある。
民主主義を強固なものにすると熱狂的に迎えられたはずのネット。世論を乱し混乱を招きかねない現実もある。ネットの理想を取り戻せるか。(一部省略)

きっかけはトランプ氏の投稿に対し、誤解される恐れのある情報を含むとして閲覧者に事実確認するようツイッターが注記したことだ。「SNSを強力に規制するか、閉鎖させる。」トランプ氏は怒りを爆発させた。(一部省略)

問題の深刻さが露見したのは、トランプ大統領を生んだ’16年の選挙だった。ロシアがトランプ氏を利するようなフェイクニュースを拡散し世論を操ったとされた。民意を反映する公正な選挙と言えるのか。疑念が渦巻いた。
背景にはテクノロジーの進化がある。膨大な利用者データの分析が可能になり、アルゴリズムが情報の流れに決定的な役割を果たす。個人が接する情報は、好みに合うものに偏っていく。社会の分断に拍車がかかった。(一部省略)

誰がどうファクトをチェックするか。この難題に納得のいく解を見いだせなければ、ネットと民主主義の溝は埋まらず、健全な情報社会は作られない。ネット企業任せではいけない。学術や政治、ジャーナリズムなどから幅広く知恵を持ち寄り、利用者を巻き込んだ議論がいる。
日本もSNSが起こす問題と無縁ではない。SNSの書き込みに悩み亡くなったとされる女性プロレスラーを巡っては、オンライン署名サイトで、匿名アカウントによる誹謗中傷を無くす法改正への賛同者が5万人を超す。ネットの情報が社会を息苦しくしている側面を否めない。
ネット社会の理想を捨てるわけにはいかない。情報の共有やコラボレーションを可能にするネットの潜在能力には大きな価値がある。テクノロジーの可能性と限界を改めて精査するときだ。

こんなような記事だが、いつも考えさせられるのは、人類の開発した道具をコントロールできないで振り回されている現実がここにもある。道具はいいが、使う人間が馬鹿なのだ。それでいて、疫病に対するワクチンや治療薬は未だ開発されず、疫病で多くの人類が死んでいる。
大自然の大きな流れの中で、人類が生きていると自覚することだ。さもないと、人類はこの地球から居なくなるかもしれないと真剣に思う。