’20.8.13
今年は家内の新盆になる。令和2年の盂蘭盆は8月13日から16日までらしい。13日には、死者の霊が戻ってくるという。迷わないように、明かりをともして迎えるという。道路を挟んだ前の家は、おばあさんの霊が帰ってくると迎え火を炊いていた。16日は、送り火を炊くらしい。
昔からの言い伝え、その地の言い伝え、現在の科学が発達した時代にはあり得ないことではあるが、人それぞれ信じることは自由だ。そんなことがあると信じれば、その人にとってはそれが現実にあり得ることなのだ。信仰とはそんなものに違いない。

宗教や信心には縁のない私だが、盂蘭盆の13日に家内の霊が帰ってくると信じれば、それなりの準備をする。そうすることによって、自分の心持が違ったものになる。
玄関は水を打ってお迎えの準備をするし、部屋はきれいにする。仏壇には明かりをともし、盆提灯を点けお供えもして帰還を歓迎する。お盆とはそんな心の行事なのだろう。

この一週間の間に、いろいろな生き物が現われる。まず最初が、玄関先の壁に大きな蛾が一日止まっていた。どこからきたのか、それとも植木の蛹からうまれたのか。
その次がガジュマルの葉に、自分の体をすっぽり隠してじっとしている青ガエルが現われた。何でこんなところにと思うようなところに、カエルが居つくのか。それからというもの、時々いなくなるがまたやってきて、未だにいるから不思議だ。
そして13日の夜、テレビを見ていると画面の前に成虫のゴキブリがのこのことやって来た。さすがこれには反射的にリモコンで叩き潰してしまったが。まさかゴキブリが居間に出てくるとは。それにしても冷房でいつも閉めきっている部屋に、どうして入って来たのか不思議だ。

これらは皆、家内の化身ではと思うことも自由だ。そんなことがあるはずもないが、信じればそう思える。お盆の期間は殺生無用と、子供の頃に言われたことを思い出す。ゴキブリには悪いことをした。まして家内の化身と思うと、可哀そうなことをしたでは済まないかもしらん。南無阿弥陀仏。