’21.3.28
民主主義と社会主義のイデオロギーの対立、こんな話題は私が世界の動きを知り始めた小さいころから耳にした言葉だ。最近こそ社会主義という言葉はあまり見かけないが、それに代わって強権主義だとかそのものずばり共産党一党独裁という言葉を見聞きする。
このところ民主主義の弱体だとか、強権主義の繫栄だとかいう言葉に代表される米国、中国の鞘当てが激しい。米国のトランプ大統領の時代のあからさまな米中対立から、バイデン大統領になって少し米中の関係が変わるかと中国をはじめ世界が見守っていたが、トランプ時代よりさらに同盟国を募って中国に対峙する米国の動きを見て、中国も本格的に対米国関係の態度を鮮明にしてきた。

歴史に残るであろう2021年3月18日からの米中外相会談で、中国の自国に対する「おごり」を世界に見せつけて、中国の国力の認識をあらためて知った。もはや米国と互角にやっていくだけの自信を見せつけられた感がする。
地球が、世界が疫病や温暖化に悩んでいるとき、世界の覇権争いをして何の意味があるのだろうか。覇権を取って世界をどうするつもりなのか。幼稚な疑問だが誰も教えてくれない。
そんな思いをしている中、日経の記事を読んでまた中国の方向性をしった。そんな記事のパクリだ。

中国とイランが経済や安全保障をめぐる長期の戦略協定に署名した。米国の存在が低下して生まれた中東の空白を中国が埋める状況が鮮明となった。一貫した戦略を欠いた米国の拙速な中東からの撤退のツケともいえる。世界は民主主義陣営と権威主義諸国のグループにくっきりと二分されつつある。

米国は技術革新によるシェール革命でエネルギーの自立を高め、中東への関与を減らした。外交や軍事的な資源をより重要なアジアにシフトさせる「アジア・ピポット」はオバマ政権時代に打ち出された。
中国が急速に経済力をつける中での外交のアジア・シフトは当然の決断とみられたが、問題はそれを進める一貫した戦略を欠いたことだ。
2015年にイランと米英独仏中ロがむすんだ核合意は少なくとも短期的にイランの脅威を封じ込めるものだった。米国だけでなく、より多くの国が地域の安定に関与する画期的な取り決めになるはずだった。
オバマ氏を引き継いだトランプ政権は代案もなく、18年に核合意から離脱を決めた。トランプ政権時代に傾斜した中国との対立路線も長期的な見通しがあったようには見えない。結果的に中国とイランは「反米」で結束する。

米国が核合意離脱とともに復活させた強力な制裁で窮したイランは、中国を頼みとせざるを得なくなった。インドがイランと協力し、進めてきた同国南東部チャバハール港の開発は、米制裁の影響で当初の期待ほど進んでいない。チャバハールの東には、中国の広域経済圏構想「一帯一路」の要衝であるパキスタンのグワダル港があり、インドにはこれに対抗する意図があった。
中国との戦略協定をめぐっては、イラン国内で強烈な反対の声がある。それでも、原油の割引販売などをふくむ合意で、中国に譲歩ざるを得なかったのは、米制裁の打撃が長期化することが避けられなくなっているからだ。イランが本来、のそんでいるのは米制裁の一刻も早い解除に他ならない。

中国が経済開放とともに徐々に民主化を進めるという期待はしぼんだ。
同じように経済近代化を進める中東の指導者が並行して民主化を進めるシナリオも期待薄だ。
中東の強権指導者はむしろ「民主主義なき発展」という中国流のモデルを採用しようとしている。バイデン米大統領が人権重視を掲げれば掲げるほど、中東諸国は中国に近づいていく。

だが、指導者や体制への批判を封じた力ずくの安定はどこかで限界を露呈する。中東では10年前、民主化運動「アラブの春」でエジプトなどの政権が倒れ大混乱に陥った。中東は今も世界で最も不安定な地域だ。それを放置すれば巡り巡って世界に跳ね返る。
必要なのは米国が民主主義や自由主義を維持するうえで一定のプレゼンス(守る力)を維持すること。そして、日本も含む価値を共有する国が、一致した戦略でそれを補完することだ。経済自由化だけでなく、法の支配の確立、言論の自由などを広げる地道な努力が求められる。

こんな記事だが、世界はこぞって民主主義、自由主義が絶対善なのか。中国は盛んに自国の政策に干渉するなという。