’21.4.27
日本は国際的にみて、どんな国なんだろう。どこの国のどんな人も、独りでは生きていけない。周りの人達と何らかのかかわりを持って生活しているように、日本もいろんな国々と関わりを持って国として存在している。
周りの人がその人を見て社会の立ち位置を認識するように、周りの国々も日本を見て国際的な立ち位置を認識していることだろう。
今更なんでそんな幼稚なことを考えるかと言うと、4月16日の菅首相が米国に出向いて日米首脳会談をした。共同声明で52年ぶりに台湾にふれ、中国と台湾問題の平和解決を改めて確認したことで、日本国内で不安や疑問が聞かれるからだ。
そのことに触れた日経の今朝刊のコラムを読んで、国際社会での日本の立ち位置を考えさせられた。そこにはこんなことが書かれていた。

日米会談の共同声明で日本は
・米中の板挟みになりかねない
・米国に「踏み絵」を踏まされる
・日本は米中双方に自制を求め、対話を通じた緊張緩和をめざすべきだ
といったような不安や指摘である。こうした発想は誤っており、安定を保ち、戦争を防ぐことにも逆行する。
そもそも「板挟み」や「踏み絵」と言う思考は、日本の現実を勘違いしている。日本は戦後、強い攻撃力を持たず、防衛を全面的に米軍に頼ってきた。この時点で中立ではあり得ず、米国陣営下で身を守る道を選んでいる。
米国には守って欲しいが、板挟みにもなりたくないと言う路線は、残念ながら両立しない。日米に亀裂を生み、中国の強気な行動を誘いかねず、アジアの安定も脅かしてしまう。

苦い教訓がある。民主党の鳩山由紀夫政権だ。鳩山首相は米中日関係は正三角形のように扱い、米中両にらみの外交を試みた。
しかし、米軍基地問題も相まって日米は緊張し、中ロから領土や歴史問題で激しい攻勢を受けるきっかけになった。日本が米中に対話を促すという思考も、ことの因果関係を読み違えている。
米国は長年、対話によって中国に責任ある行動を求めてきた。だが中国の軍拡は止まらなかった。現状はその結果だ。
台湾海峡をめぐる米中の軍事バランスは既に中国優位に傾いた。元米政府高官によると、近年、台湾海峡の紛争を想定した米軍の図上演習では米軍チームが連敗し、2018年以降は負け方もひどくなっている。
この壊れた軍事バランスを修復しなければ、中国側も真剣には行動を改めないだろう。

この論調は奥歯にものの挟まった感じを受けるが、はっきり言って日本国は米国におんぶにだっこの状態にある。日本は主権国家だが、こと有事には米国の支援なしには立ち行かない国なのだと言っている。もしそうなら、政府はもっと国民にしっかりと説明すべきではないのか。
「テレビタックル」と言う番組で、悪党党の党首を自認した浜こうさんこと浜田幸一が、日本はアメリカの植民地であると怒鳴っていたのを思い出す。はっきり言って今でもそうなんだろうと思う。そんな認識で国民は「日本国」を認識していないと、日本は国際社会で相手にされなくなるのではと心配する。