’21.10.6
コロナが流行りだしてから目に付くのは、ネットでの会議だとか公演の無料参加の広告だ。興味のあるテーマを時々見るのだが、投資に関するテーマがやたら多い。
投資は儲かるのか、公演の中で言われる結論は長期投資をすれば必ず損はしないという。米国での株式投資は、必ず右肩上がりだと言っていた。日本ではどうか、日経の「大機小機」のコラムから。

証券投資で儲けた話はあまり評判が良くない。特に株式投資の場合がそうだ。株式投資の利益は努力の結果というより、運・不運によるものだという見方が根強い。
証券市場の将来を予測することは不可能に近く、証券投資が不確実性との戦いであることは事実だ。だから、証券投資とカジノは同じように見られがちでもある。
確かに株式市場の将来を予測は人知を超えた世界である。そのことは、昨年までの10年間の日経平均株価の推移からもうなずくことができる。
この間の平均騰落率(幾何平均)は10.4%であったから、投資家の期待を満たす水準だったということができよう。しかし、注目すべきは年間騰落率の標準偏差が20.6%と、上下のブレが激しいことだ。(標準偏差が0はトントン。騰落の正規分布が68%) 2011年はマイナス17.3%、13年はプラス56.7%と、年によって天と地のちがいであった。
このように不規則かつ激しく変動する株価だが、定説は、長期で構えれば一定の投資収益を期待できることである。何が肝心かと言えば、長期投資に徹して、目先の変動をやり過ごすことだ。
とはいえ、株価変動の嵐を耐え抜くことは、口で言うほど容易ではない。下落は前触れもなく訪れ、想定外のマグニチュードで暴れまくる。事実、11年3月15日は、たった一日で10.6%も下落した。投資家のプレッシャーは並大抵ではなかったはずだ。
投資の世界の先人たちは、証券投資に成功する鍵は長期投資に徹することだと唱える。その思想を具体的に示す例は身近にも存在する。老後2000万円問題で注目を浴びた金融審議会市場ワーキング・グループ報告書である。
報告書は「投資期間が長期であるほど、投資タイミングと投資対象を分散すればするほど、市場の価格変動に強く、収益がばらつきにくくなる」と指摘する。
突如として市場下落に見舞われ、不安の下で投資方針を貫き通すには、強い忍耐力が必要だ。投資家が最終的に手にする収益の裏には、ここまで乗り越えてきた苦難と試練がある。こう考えれば、投資収益は決して不労所得ではないはずである。

コラムの記事は以上だが、ただただ長期に持つには汗水たらしてスリルに耐えねばならないようだ。やはり投資で儲けるのは容易ではない。