’21.11.12
岸田第2次内閣が発足、あっという間に第100代、101代首相の誕生だ。今の日本、コロナ対策、経済、社会保障、労働、教育、農業、エネルギー、そして世界規模ではカーボンゼロ対策等などどこから手を付けていくのか問題山積。
一方外交では無策と言っていいほど無防備な日本は、世界戦争でも起きたらどうふるまうのか。そんな国民として心配事に囲まれての毎日だが、気にしていることは庭の花の手入れ、今日の夕食、運動不足の肥満、考えれば答えは「それでいいのだ」だ。

11月11日の日経のDeep Insightに、「台湾併合が招く悪夢」という秋田コメンテーターのコラムが載っていた。まさに悪夢のようなコラムだが、関心のある記事だったのでパクった。

中台の緊張が高まっている。台湾が周辺に設定した航空識別圏には10月、延べ200機の中国軍機が入った。台湾は10月以降、欧州と政治交流を速め、米国との接近も目立つ。中国は反発しており、軍事挑戦は和らぎそうにない。
有力な中国専門家は、次のように指摘する。習近平国家主席にとっては内患への対応が急務だ。数年内に、何が何でも台湾統一を強行するとは思えない。
一方で、軍事力に注目する安全保障専門家たちは、米中軍事バランスは急速に中国優位に傾いており、侵攻リスクは着実に高まっていると話す。

考えたくない展開だが万が一、台湾海峡で米中戦争になった場合、同盟国である日韓やオーストラリア、欧州はどうすべきか。
日本でも議論が始まっているが、根本的な視点が抜け落ちたままだ。それは、中国が武力や政治圧力で台湾を強制併合したら、世界にどんなマイナスが生じるかと言う冷静な分析である。
この答えがなければ、「一国二制度」が完全に保証された平和統一でない場合、台湾併合を防ぐためにどこまで代償を払い、台湾を支援すべきか、最適解を導きようがない。中台関係に詳しい松田東大教授はこう推測する。
「台湾を力ずくで支配することは、すなわち米国の時代の終焉を意味する。当然、習近平政権はチャンスを逃さずアジア太平洋全体の覇権を握ろうとするだろう。習政権の対外拡張はすでに軍事化を進めている南シナ海にとどまらず、東南アジアや南太平洋にも向かうだろう。日本も中国の覇権下にはいるはずだ」
とりわけえ、米国が台湾を見捨てるか、軍事介入してもあっさり中国に敗れた場合、アジア太平洋で米国の信頼感が落ち、中国圏の拡大が勢いづくとみられる。

エルブリッジ元米国防次官補はこう懸念する。「中国が台湾を併合すれば、間違いなく島を軍事化するだろう。日本の南西諸島だけでなくフィリピンも脆弱になってしまう。米国はインド太平洋の軍事態勢を一気に強化しない限り、同盟国や友好国を守ることが極めて難しくなる。
日本も自衛隊能力の劇的な強化を迫られる。こうした悲惨な状態を防ぐため、今から必要な対策を打っておくべきだ」
経済に目を転じると、台湾は世界の先端半導体の約9割を生産する。この技術力が中国に飲み込まれたら、世界のハイテク競争の行方も左右しかねない。

もっとも、台湾海峡で戦争になれば、日本の一部も戦場になり、日本が戦争に直接関与すれば、さらに甚大な犠牲を生む恐れがある。日米同盟の重要性を踏まえつつ、政府はこの代償の大きさも、厳密に分析しなければならない。
今大切なのは感情論や精神論でなく、軍事作戦と台湾併合の両方のリスクを精査し、突き合わせることだ。その作業を徹底しなければ、台湾有事で日本は「何を、どこまで」やるのか、正しい答えにはたとりつけない。

こんな記事だ。いま中国は冬季北京オリンピックの準備で忙しい、地球温暖化対策で米国は中国と手を組んで対策しようとしている。世界は、中国のご機嫌をとりつつも、台湾に手を差し伸べ、中国は世界に無視されているロシアと手を組んで対抗する。
いつこの緊張の糸が切れるかもしれない。中国の台湾併合を、損得を考えて日本は向き合う必要があるとも考えられるが。