’22.1.8
沖縄でオミクロン株のコロナが蔓延している。米軍基地でのコロナが市中で感染していることが、同じ遺伝子であることから分かったとある。同じように基地のある山口や近隣の広島県も、沖縄と同じように米軍基地からの感染が広がっている。
日本にどれほどの米軍基地があるか調べたら、米軍の管理施設が78、一部利用を入れると128か所もある。いまだに本は米国の占領下にあり、日米地位協定で日本の法律の及ばない所で活動していると言われても仕方ない状況にあるようだ。

1月7日、日米の外務・防衛閣僚協議(2プラス2)がオンラインで開かれた。コロナが蔓延しているから、オンラインでの開催になった。これからは時間を掛けて出掛け対面で会議するのでなく、必要があればオンラインで頻繁にやればいい。
その会議の共同声明について、米国政府で仕事をしたこともある早大教授 中林美恵子氏のコメント記事が出てたのでパクる。

時代を画する2プラス2になった。共同文書の冒頭に「日米で戦略を完全に整合させることによって同盟を絶えず現代化する」との文言を明示したことに驚いた。
太平洋戦争後の日本と米国の関係は日本の軍事力が再び増大しないよう、在日米軍が一種の重しになっているという認識が基本だった。アジアの国々に納得してもらうため表向きにはそう説くのが最善だった。
米軍が日本再軍備のボトルネックになっていたのは昔の話だ。2022年のいま「戦争を完全に整合させる」と堂々と書き切れるのは安全保障の次元が変わった証だろう。中国の拡張がそうさせている。

時代の転換という意味では兵力による安全保障だけでなくソフトパワーの面でも日米で戦略を整合させる必要に迫られている。
在日米軍の施設内で新型コロナウイルスの広がる事態を中国は笑ってみているだろう。「米軍は新型コロナの拡散者だ」というプロパガンダで同盟国の世論を分断しやすいからだ。

今回のような問題が起きると中国などに利用されるとの認識も日米で共有されなければならない。これからの戦争は世論を操作することによって相手に混乱をもたらす情報戦から入る。
在日米軍の基地を抱える地域の憤りはもっともだ。日本の国民と米兵とで新型コロナの防疫基準が異なるのは国内の怒りを誘うに決まっている。国民の憤慨をしずめるためにも2プラス2での意思疎通には意義があった。

中林氏の誠に分かりやすい解説だが、日米安保条約を通しての両国の関係を平たく言っているようにも感じる。やなり占領下の日本であって、必ずしも対等な同盟国の関係ではないのだろう。
対等な同盟国になるために日本はどうすればいいのか、民間企業の経済的努力だけでは政治は何をしているのかという国民の爆発が起きてからでは遅すぎる。