’22.3.13
余り共感しない日経朝刊の「春秋」、今日ばかりは最近思うことを代弁しているようでコピペする。

あれは日本人を油断させるための呪文だったのでは・・・。いまでは、そんな思いさえ抱いてしまうのが「ジャパン アズ ナンバーワン」という言葉である。このタイトルを冠した米ハーバード大学教授、エズラ・ボーゲル氏の著書は70万部を超すベストセラーになった。

1979年刊行のこの本は日本的経営の強みや背景を論じ、当時の人々を誇らしい気分にさせた。それはバブル期に絶頂に達し、後年まで日本人のメンタリティーに自尊と楽観が根強く残っていく。
テレビで盛んにやっていた「日本スゴイ」番組はその象徴だろう。しかし、コロナ禍はようやく呪文を解きつつあるらしい。

日経が昨年11月から12月に実施した郵送世論調査によれば、日本の経済と技術が「強い」と答えた割合は3年前に比べ、いずれも17ポイント下がった。技術は75%から58%に、経済は37%から20%への落ち込みである。
世界とは周回遅れのデジタル化など、災厄のなかで浮かんだ日本の弱さを実感する人が増えているに違いない。

こうなると、今度は世の中を自信喪失ムードが覆いそうだ。しかし、長い夢から覚めて現実が見えるようになったのだから僥倖ではないか。
ボーゲル氏は晩年、この国が築き上げたシステムにはまだまだ長所がたくさん残っていると語っていた。尊大と卑屈の間を揺れ動いてきた日本人が大人になるチャンスである。

短いコラムだが、今の私の思っていることを書いている。自信喪失の日本から、バブル絶頂期を迎え株を持ってさえいれば左うちわで暮らせた時代を垣間見ながら、コロナ禍のなか何もかにも世界に後れを取っている日本を知らされた。
死んでいく私はいいが、これから日本を背負っていく年代の人々は、日本のことをどう思っているのだろう。孫とはなすと、国はあてにしてないという。じゃ、何を旗印に生きていくのか。