’22.6.24
ロシアのウクライナ侵攻が始まって4か月、新聞も「ウクライナ戦争疲れ」だとか「ウクライナ兵も士気の低下」という見出しを見掛ける。世界の様子も少し変化して、ロシアに対抗する西側諸国もウクライナ支援疲れがみえてきた。
米欧に対峙するロシアを支援する国も、中国の呼びかけでBRICSを軸とした首脳会議を開催している。ここでもインドの態度が気になる。

いまや世界は「ウクライナ危機」ともいえる物価の高騰、エネルギーの枯渇、食料不足に直面している。この戦争、この先どうなるのか。国際政治の大家と言われるハーバード大学グレアム・アリソン教授の日本人記者のインタビュー記事で、日本の北方領土問題や、日米の太平洋戦争のことを引き合いにして語っているのはなんとも日本人として悲しい。以下その記事のパクリだ。

ウクライナでの戦況が分かりにくいのは、戦場で弾丸やミサイルが飛び交うのと並行して激しい情報戦が展開されているからだ。各国が戦争の目的や戦況、どこで妥協するかなど対外発信し様々な言説が飛び交っているが、それらはすべて情報戦の一環だ。
とりわけウクライナのゼレンスキー大統領とその側近はSNSを使った情報戦を別次元に引き上げた。
そうした中でもロシアの当初計画がつまづいたのは明らかだ。一方、ウクライナ軍が有能かつ果敢で、士気も高いことに世界は驚いた。

戦争は簡単には終わらない。米国のイラク戦争は8年、アフガン戦争は20年かかった。第2次大戦は6年続いた。
戦闘が下火になるのは例えばロシアがドンバス地方の十分な地域を手に入れた時だ。そこでプーチン大統領が目的をほぼ達成したと信じ停戦を決断できれば望ましい。
ウクライナは領土の割譲を認めないが、戦闘は凍結されうる。日本もロシアによる北方領土支配を認めず、日ロ間に平和条約もないが、両国は戦ってはいない。

バーンズCIA長官が言う通りプーチン氏はこの戦争に負けられない。獲得した都市を失うか破壊をエスカレートさせるか選択を迫られたら、彼は後者を選ぶ。戦場で敗れれば自らの政権、偉大さ、あるいは命すら失うと理解しているからだ。
プーチン氏は追い詰められれば化学兵器や戦術核兵器を使ってさらに多くの一般市民を殺害する可能性がある。ある都市を核攻撃したあとゼレンスキー氏に対し、広島への原爆投下後も降伏しなかった日本を引き合いに「ここで手を打つか、ウクライナで長崎の惨事を見たいか」と迫ることも考えられる。
何としても避けたい事態だが、そのためにもプーチン氏が負けるわけにはいかないとの前提をよく理解すべきだ。国内で戦果を宣伝できるような落としどころが必要だ。

ウクライナでの戦争は米国と中国の対立にも影響する。覇権国とその挑戦者として勢力を争う両国にとって戦争への最短の道筋は台湾問題だ。
中国政府がウクライナから何を学んだのかは分からないが、合理的な政策決定者がどう考えるかは推察できる。まずロシアの苦戦を見て、陸海空にまたがる軍事作戦は複雑で、相当な訓練が必要だと痛感したはずだ。
ウクライナ軍がロシア黒海艦隊の旗艦「モスクワ」を撃沈したのを目の当たりにして台湾の攻撃能力を再検証する必要も感じているだろう。
米情報機関がロシアの軍事計画を詳細につかんでいたことも、自身は大丈夫かと中国に懸念を抱かせたはずだ。ロシアへの国際的な経済制裁にも警戒感を抱き、中国は軍事行動には慎重になるとみている。

目先の最大のリスクは台湾や米国が中国を刺激し、北京が耐えられずに反撃するケースだ。米中が衝突すればかつてない大戦になる。不要な挑発は避けるべきだ。

以上のような記事だが、つくづく思うのは国のリーダが決断する元は何なんだろうと。個人の感情や思い付きで判断されてはたまったものではない。
話し合いで物事がすべて決まる訳でもない、とすればまた2階の輩のやっていることを、1階で暮らす私のような住民は何をどうしたらいいのか考えてしまう。