’23.12.24
年も押しつまると来年の予想話が賑やかになる。新聞を読むと2024年は、色んな事が起きそうなことが書いてある。そんな中で気になるのは、日本を含む北東アジアの安全保障問題だ。
日経コラム「風見鶏」からのパクリ。

北東アジア情勢を分析する専門家が注目している書簡がある。ロシアのプーチン大統領が今年7月、朝鮮戦争の休戦70年を祝う行事にあわせ北朝鮮の金正恩総書記に送った祝辞だ。
「数万回の戦闘飛行を遂行した飛行士を含むソ連の軍人も、朝鮮の愛国者とともに肩を並べて戦い敵の撃滅に重く寄与した」
1950年に勃発した朝鮮戦争に旧ソ連軍が秘密裏に「参戦」した事実を、ロシアの指導者が初めて公式に認める内容がつづられていた。
朝鮮戦争で戦ったのは北朝鮮と後ろ盾の中国、そして米国を中心とする国連軍とみなされている。53年の休戦協定に署名したのも米中朝の3者だった。
ソ連参戦の詳細は、崩壊後に公開された文書や証言で少しづつ明らかにされてきた。
スターリンの命令でソ連空軍のパイロット数万人が戦闘に加わった。中国人民義勇軍の制服を着て、ミグ15戦闘機で6万回にわたり出撃したという。ソ連兵の参加を隠したのは第3次世界大戦への発展を恐れたからだとされる。

プーチン氏が今になって「参戦」を認めた意図は何か。南山大の平岩教授は「北朝鮮を巡る対話プロセスに割って入ることへの布石だろう」と分析する。
平岩氏はこう見る。ロシアは北東アジアの秩序作りで米国に主導権を握らせたくない。この地域で米国の覇権が強まらないようにしたいと考えている。
北朝鮮は中国だけでなくロシアを対話の枠組みに引き込み、自らに有利な外交を展開しようともくろむ。ここ数年で大幅に増強した核やミサイルの削減と引き換えに、経済制裁の緩和を引き出す交渉に乗り出す時期を探っている。
金正恩氏は2024年秋の米大統領選を見極めているはずだ。トランプ前大統領の再登板なら再びディールを目指すかもしれない。直接交渉に関心のないバイデン大統領の再選なら、中国とロシアを含む多者協議を動かそうとする可能性がある。

24年は世界の「選挙イヤー」と言われる。英誌エコノミストによると世界の全人口の過半数が暮らす70を超える国と地域で選挙がある。
年初から立て続く選挙は東北アジアの秩序にかかわる。1月の台湾総統選、3月のロシア大統領選、4月の韓国国会議員選、中国やロシアのような権威主義国家が発言力をさらに増すか、日本など民主主義の価値観を重んじる側が結束できるかを左右する。
選挙結果は世界と日本の経済に直結する。地政学リスクであるウクライナやパレスチナ自治区ガザの戦況にも影響する。米国の貿易政策や中東への関与姿勢が変われば、原油やエネルギー価格にはねかえる。
バブル経済崩壊後の高値更新をうかがう日本株も安泰とは言えない。株高を支えてきた円安基調はFRBが利下げに動けば逆回転する可能性をはらむ。
「24年は緊迫の一年になる」と最近の首相は繰り返す。「だから政治を安定化させなくては」ということなのだろうが、日本政治の不確定さは強まっている。自民党派閥の裏金問題は出口が見通せないまま年を越す。
ひょっとしたら来年の日本では衆院選と自民党総裁選という2つの選挙があるかもしれない。指導者が内政に目を奪われて世界情勢の変化を見落としてしまうーーー。そのような事態にならないよう、いつも複視眼的な視点と思考が欠かせない。

とまあこんなコラムだ。ロシアのウクライナ侵攻から何となく世界の情勢がきな臭くなってきて、イスラエルのガザ報復で益々不安が募って来た。我々の平穏な日常生活が、こんな世界情勢に左右されるのは勘弁してほしい。
しかし日本だけが平穏でいられる状態になってないなか、内輪の議論ばかりしている日本のリーダに我々国民は何をしたらいいのか。その為の選挙だよと言うのも口さみしい。