’00.10.7

今日は秋らしい爽やかな天気、少し風があるようです。庭に出るとその風に乗って、アアいい匂い。
わたしのことだからきっと秋刀魚かなんかの、焼いている食べ物の匂いと思うでしょう。いいえ、又秋がきたな、1年ぶりの香り、そうそう匂いというからいけないんで、いい香りなんです。
キンモクセイの、なんとも甘いようないい香りが庭一面に漂っています。見るとお隣との境に植えてあるキンモクセイに、小さな黄色の花がついています。それにしてもいい香りです。

主人が出てきました。このところちょっと遅い日が続いて、くたばっているようす。出てくるなりベンチに腰掛けてしまいました。
わたしはお構いなしに、転がっていたボールをくわえて主人の足を鼻で突っつきます。普段はそれで反応してくれるんですが、今日はうつろな目でわたしを見るだけ。
それではと座って投げ出している足の下にもぐりこんで、背中で持ち上げて遊ぼうよとおねだりしますが反応無し。これは相当くたびれているようです。考えて見るともういい歳ですからね〜。

しばらくするとやっと生気を取り戻したと見えて、わたしの方にやって来ました。座れ、伏せ、待てのコマンドです。待てで様子を見ていると、いきなりボールを蹴飛ばしました。わたしは思わずボールを追っかけました。・・・・しまった、計られたと思ったら案の定主人からの「待てだろ−」のお叱り。
だってだって、こんな人を、いや犬を陥れるような・・と思っていたら今度は駆け出し始めました。今度こそその手には乗らないよ〜と、伏せでじっとしていましたらグーグーといって頭を撫でてくれました。

疲れて大変だな〜と思って心配してたら、まったく。待てのコマンドが出ていたら、どんな状況でも待って居れるに越したことはありませんが。
心構えが出来ているとできるんですが、今回のように不意を食らうと出来ません。わたしのように並みの生活をしていると。せっかくのいい香りもどこかへ行ってしまった感じです。