’00.12.2

カレンダーも一枚を残すだけとなりました。今日は全国的にいい天気と言ってましたが、朝起きて見たら一面霜が降りていて刺すような寒さです。武者震いを一つして庭で用を足し、朝食を待ちます。時間は6時をちょっと回っています。
玄関の開く音がして朝食が出てきました。お祈りもそこそこにして、主人は家の中に入っていきます。カリカリのフードに掛けてもらう牛乳は、この時期になると暖かい筈ですが、まだ冷蔵庫から出したままの冷たさです。こんな寒い日は歯茎にしみます。
ちょっと、お祈りと言い牛乳と言い、わたしに対して手抜きじゃーないでしょうか。何かわたしに冷たくする理由でも・・・ああ。

きのうの夜のことでした。誰からか電話の後、暫くしてわたしはお母さんと庭に出ました。空気が冷気でピンと張り詰めて、もちの木に飾ったランプが一層鮮やかに見えます。
庭の出入り口を開け路地に出ました。想像するに、駅から主人の帰るコールがあってわたしに出迎えをしなさいという事のようです。間もなく路地の向こうに人影がして、こちらへ向かってやってきました。

「ラム、こい」 路地の中ほどあたりからまぎれもない主人の声。「ラム、こい」 わたしは一目散に駆出しました。方向は・・・主人の方でなくお母さんのいる庭に向かって。
「迎えに出てたのに、これじゃー疲れがどっとでるわね」「ラムは一体何を考えて・・・まったく」 そういう訳で、わたしは主人を庭で迎える形になりました。

主人がわたしに冷たくする理由がこのことだとしたら、・・・それはまったくの誤解と言うものです。なぜって、わたしは主人が帰ってきたことを、お母さんに伝えに行ったのですから。それにしても確かに主人はラム、こいって言いましたよね。まあ、これはわたしと主人の見解の相違っていうもので、お互い、いい方に解釈するのがよろしいんではないでしょうか。はい。