’01.5.25

「ラム、駅までお迎えに行く?」 「う・・・うふ」 「そう、じゃ〜行こう」
今日は午前中お客さんがくるようで、駅までお母さんとお迎えです。きっとすっかり友達になった下の兄さんのお子さんが来るに違いありません。だって、駅までのお迎えといえば今までずっとお子さんとそのお母さんでしたもん。早く会いたいな〜。

駅では、電車が入ってくるたびに大勢の人が改札口から出てきます。わたしはお母さんの言われた通り、お母さんの横で座ってお子さんのくるのを待ちます。
通りすがりのおばさんがニコニコと笑いかけてくれます。中には声を掛けてくれる人もいて、軽く尾っぽを振ってはお子さんがいないか探します。一台目、二台目電車が入ってきますがお子さんは・・・まだ来ません。「まだのようね、ふせ」 わたしは言われるようにふせをして待つことにしました。それにしても遅いな〜、なにかあったのかな。

三台目の電車が入ってきました。ホームの階段から人が上がってきます。今度はくるかな、ふせからおすわりに変わって人の流れに目と鼻と耳を集中させます。まだ来ません。
「おまたせね、待った?」 「いいえ、遠いところようこそ」 「ラブちゃん、こんにちは!」よそのおばさんから声が掛かったので軽く尻尾を振って、お子さんが来るのを今か今かと神経を集中させて待ちます。「ラム、いくわよ」

え〜、お子さんがきてないじゃないの。行くって、お子さんを待たないでいいの!。お母さんはよそのおばさんと一緒に歩き始めました。わたしはなんだか訳が分からなくなって、鞄を持った主人に似た人についていきました。「ラム、どこにいくのよ!」 どこにって、お子さんがいないもん、なんだか頭の中が考えてた事と違うんだもん、いいのかなこのまま帰って。

後からやっと様子が分かりましたが、お母さんはお友達を迎えに駅へ行ったのでした。わたしは勝手にお子さんが来るものと思っていたものですから、頭の中がこんがらがって一寸したパニック状態でした。
それにしても、わたし達の思い込みったらほんとに激しいんですから、そしてなぜあの時主人に似た人について行ったか・・・今もってわたしも分かりません。