’01.9.25

澄み切った空、爽やかな風、朝晩の冷え込み、一気に秋がやって来ました。今日はお昼の暖かさが宵の口まで残って、日が暮れて庭に出ていても心地よい感じです。
空を見上げれば上弦の月、今年は10月1日が中秋の名月で、今、お月様は一生懸命栄養をつけて大きく膨らんでいます。お月さんの右下には、やけに目障りな星が一つ輝いています。
きのうは母さんが、久し振りにきれいな星空を見たと言っていました。今日は主人がベンチに座って、しきりと空を眺めています。わたしもそっとベンチのそばに行って、主人の横に座りました。
座った途端お尻から、プ〜ぅと小さな音が出ました。すかさず主人が、「ラム、おならをしたんだ。」とわたしの頭をなでて、けらけら笑いながらベンチに上げてくれました。

ベンチの上ではいつものように、主人の膝に前足を乗せて伏せをします。わたしは絶え間なく聞こえてくる音に、耳をそばだて、鼻を利かして様子を伺います。
庭先の路地にバイクの音がしました。バイクはそのままUターンをして帰って行きました。「巡査さんが見まわりに来てくれてるんだ」 そう主人が教えてくれました。
しばらくしてまたバイクの音がします。今度はわたしの家の前に止まって、赤いバンダナをした人が、バイクから降りてこちらへやって来ます。わたしは思わず ウフ と言って主人の膝の上で身構えました。
「新聞の集金に来ました〜」 「ご苦労さん」。 わたしは主人の膝から飛び降りて、庭の入口まで今度は歓迎のお出迎えです。

出来事はこの二つでした。またあたりは鈴虫の鳴き声の中に混じって、色んな音が聞こえてきます。お月さんは随分と西の方に傾いて行きました。目障りな星が、相変わらず付いて回っています。何時の間にか、そのほかの星もはっきりと見えてきました。気持の良い夜です。