’01.11.29

今日は夕方から雨と言う予報ですが、今のところはまだ青空が覗いています。時間は午後4時、夕食前の散歩に出掛けることにしました。それにしても暖かな夕方です。
花見川に続く田圃道からの風景はすっかり晩秋のおもむき、田圃の二番穂はすっかり枯れて所々に水溜りができたりして、これを見るがぎりは寒々しい感じです。わたし達が通ると、脇からスズメさんの集団が一斉に飛び立って電線にわっととまります。
主人の悪い趣味は、この電線の下を通る時決まって手を打つのです。ぱ〜んという音に驚いたスズメさん達が、また一斉に飛び立ちます。これが楽しいらしいんですが、飛び立ったスズメさん達はまたもとの田圃の中に帰って行きます。わたしにはどうしても、スズメさん達に馬鹿にされてるとしか見えないんですが、主人は脅かしたつもりで歩いて行きます。

川面は静まり返ってさざ波ひとつとみえません。川辺のすずきの穂は、冬に向かってすっかり暖かそうな装いでまん丸とふくらんでいます。威勢のよかったせいだか泡立ち草は、見る影もなく赤茶けた花の残骸を残して、ぼんやりと突っ立っています。
川に沿って広がった田圃の向こうで、、焚き火の白い煙が長く広く地面に沿ってたなびいています。このたなびいた焚き火の煙を見ると、秋の深まりを感じるから不思議です。煙の匂いは遠いのでしませんが、先ほどから鼻を突く香りがすると思ったら、足もとの道路脇には黄色や紫の小菊が一杯に咲いています。小菊も盛りは過ぎたようです。しばらく来ないうちに秋も一生懸命に駆け抜けています。

途中何匹かのワンちゃんとすれ違いましたが、最近はどのワンちゃんも紳士・淑女然として通って行きます。歩き方はご主人を引っ張って行くワンちゃん、ゼイゼイ言いながら自転車を引っ張るワンちゃん、あっちこっち匂いを嗅いで動き回って進むワンちゃんとそれぞれです。
家を出る時には大きくて白かったお月様も、薄暗くなった今は黄色に輝いた凛々しい姿に変身しています。そういえば今日は旧暦10月の15夜ですが、満月にはあと1日くらい足らないようです。
家に辿りついたらさっそく食事、食事のお祈りもそこそこに牛乳かけカリカリフードにかぶり付いたその瞬間から、あたりの景色はきれいさっぱりわたしの目から消え去ったのであります。