’99.10.30

今日の主人は久しく見なかった気合が、全身にみなぎっているようです。どうもわたくしへの勉強が始まるようで、私も気が引き締まります。

「キャッチ」「キャッチ」・・・いきなりなんのこっちゃ。・・・「キャッチ」、主人はこう言ってボールを投げます。ボールが投げられると、自然と体が動くのがわたしの習性。ボールを急いで取りに行って持ちかえると、「グー」「グー」と言って主人はわたしの頭を撫でてくれます。

どうも主人の胸ポケットが臭う、わたしの好物のドッグフードの匂いです。「キャッチ」またボールが投げられました。急いで取ってくると、今度はドッグフードが一粒もらえて、「グー」「グー」と誉めてくれます。
気合が入っていた割には、何とも簡単な勉強で気が抜けてしまいます。しかし、あの「キャッチ」がどうも気になります。

しばらくして、こんどはむこうに置かれたボールに向かって「キャッチ」「キャッチ」と主人が言っています。わたしはドッグフードが気になっていると、また主人が「キャッチ」と叫んでいます。どうすればいいの、どうすれば。
「ウーン、やっぱ難しいか」主人はうなるように言いました。何なのか・・・・。