’02.2.1  .

日の出も日一日と早くなっていきます。朝食の時は薄暗かった空も、今朝なんかは屋根の向こうが薄赤く燃え立ち、しばらく見てました。

わたしの室内犬訓練も、最後の課題を残すのみとなりました。何時間も一人になった時、ゲージに閉じ込められなくても、いたずらをしないで過ごすことができるかということです。
これはわたしの課題というよりも、主人のわたしに対する、信頼と覚悟とあきらめの問題だと思ってます。
とうとうそのことを試す日が来ました。室内で飼われているワンちゃんなら当たり前のことでしょうが、はじめての経験をするわたし達にとっては、いろんな悪いことが想像され勇気の要ることです。

主人達の朝食が済んで、上の兄さんが出て行き主人の出て行く番になりました。いつもならここでわたしをハウスと言ってゲージに入れ出て行くのですが、今日はその気配がありません。
そのまま玄関に行くのでわたしもついて行きます。上がりかまちに座って主人が靴を履くのを待っていると、「なんだかラムにお見送りされてるみたいだな〜」 と言って出て行きました。

わたしはやれやれと思いながら、いつものようにゲージに閉じ込められてないことに気が付きました。あたりを見まわして、さてとソファーの上に登って入口の方を見ると、主人が頭だけ出してこちらを見ているではありませんか。
「悪い悪い、じゃ〜ラム行ってくるぞ」と言って、入口から頭が引っ込みました。そして、玄関のドアに鍵の掛かる音がしました。

「ただいま」 主人の声がしました。わたしはソファーからゆっくり立ちあがって、おおきく伸びをして主人の所へ行きます。
「一人で賢く留守番ができたようだな、うん、うん」 そう言って満足そうにわたしの頭を撫でてくれました。わたしは寝起きで、まだ頭がボ〜としてます。