’99.11.23

やあやあ、ロボット人間がやってきました。下の兄さんのお子さんがやってきました。歩き始めて一ヶ月くらい経つでしょうか。歩行もだいぶうまくなったようですが、まだまだ心もとない限りです。

ひとしきり挨拶がすんでから、例によって乳母車で散歩です。主人とお子さんとわたしで、これも定番になった近くの川までの散歩に出かけました。最初の頃と違って、わたしも乳母車の横を歩くのに慣れたせいか足を車にひかれることもありません。何となしに、盲導犬になったような気分で家に帰りました。さあ、それからがわたしの初体験です。

庭に下ろされたお子さんは、あっちふらふら、こっちふらふら歩き回ります。庭はわたしのテリトリーです。もちろんこの時ばかりはノーリードで、自由に振舞えるのですがいささか勝手が違います。
なんとも、あまり嗅ぎなれない臭いもしますので、お子さんの上から下まで臭いまくっていましたら、突然主人の声がしました。「ラム、座れ、伏せ、待て」三つ立て続けのコマンドです。仕方ない、お子さんと遊んでやろうと思ったのに。

伏せで我慢をしていると、お子さんは今度は庭にしゃがみこみ、小石を両手につかんでは下に落とす遊びを始めました。おもしろそうで、待てが出ているけどお子さんの所に行って一緒に遊んでやろーと。そろりと立ち上がってお子さんの所へ行き、耳から顔からなめてやりました。
お子さんは、キャッキャ言って喜んでくれました。おお、わたしの相手に丁度良いかな、何せ初めての経験でもありおもしろそうな遊びも出来そうだし、もうすこしさぐりを入れて見ようと鼻を突き上げたところ、お子さんが立ちあがるのと同時だったので、お子さんはひっくり返ってしまってしまいました。あとは「ワーン、ワーン・・・」

なんだー、なんだーこれは。主人の声が、「ラム、来い」。初めてのお子さんとの遊びは失敗だったようです。