’02.7.28

やっとこのあたりもセミの声を聞くようになりました。昼間聞くセミはもっぱらアブラゼミです。そして夕方、今日はきのうに比べ随分すずしいようにおもいますが、遠くの方でヒグラシの声が風に乗ってかすかに聞こえてきます。
主人は両の耳に手を当てて、目を細めかすかなセミの声を聞いています。「ヒグラシがないている!」 感に入ったような声を出して、一生懸命に聞いている姿は全くの子供です。そんな子供も、今日の昼間はわたしにとっては大魔人に見えるほど荒れ狂ったのであります。

サリーの悪戯に対して、主人も結構寛容になってきました。こればっかりは現行犯逮捕ではありませんが、悪戯の最中でないと注意も効き目がありません。しかし、悪戯の最中を目撃されると、「NO」と言われれば大体悪戯を止めます。
主人達が出かけて留守の時、庭で二人している事が多いのですが、この時ばかりは注意してくれる人もいませんので、サリーは暇をもてあまして相変わらず色々な事をやってくれます。わたしが注意すればって、そればっかりはわたしも見て見ぬ振りをするか、たまには悪戯に参加したりして楽しんでいます。

ここの所の悪戯はいくつかあって、まず不燃ゴミとして出そうとビニールの袋に入っている使い古しの蛍光灯を引っ張り出して、玄関先で割ってガラスの破片をばら撒いていたことです。主人も手の、いやサリーの口の届く所においてあった反省もあって、ブツブツ言いながら片付けていました。
次ぎは木炭を引っ張り出しては庭中ばら撒いていた事です。ばら撒くだけでなく、この木炭をサリーは美味しそうに食べるのです。わたしもあまり美味しそうに食べるので、一緒になって食べましたが美味しい物ではありません。これは一度ならず2、3回あります。
なぜ食べたことが主人にばれたかと言うと、食べたものは必ず出るからであります。それも結構難産で、出る時は形をなしていますが、地面におちるとボロボロと壊れてじゃりじゃりの木炭が現れるのです。わたしも経験しましたが、一度に出きらず往生します。こんな時も主人はぶつぶつ言いながら片付けていました。どんなに主人が工夫を凝らして片付けても、ちゃんと見つけて引っ張りだすサリーは天才ではないかと思います。

そして今回。その予感はここのところのサリーの行動からあったのですが、さすがの主人も切れてしまったようです。
庭でしたわたし達の汚物やゴミは、大きなポリバケツに入れて庭の隅に置いてあります。今まで興味のなかったサリーですが、最近ちょくちょくこのバケツをひっくり返す事がありました。
そして今日、ひっくり返してバケツのふたがはずれ、中のビニ―ル袋に入った汚物が散らばって、それを庭のあちこちにくわえて散らかすという念の入った悪戯でした。この悪戯にはさすがのわたしも加わりませんでした。
帰ってきた主人は、穏やかな仏様から大魔人に変身、転がったバケツを足で蹴飛ばし荒れ狂ったのであります。わたしは尻尾を巻いて、一目散にベンチの陰に身を隠しました。サリーはというと、ちょっぴりうなだれてはいますがのそのそと歩いて庭の隅に座り込むや、頭を下げて上目使いに主人の様子を伺っています。
嵐がおさまって、片付いたごみバケツの前に二人して主人から呼ばれました。サリーに対して主人は指を指しなから色々言ってましたが、さてさてどの程度わかったことやら、この次ぎの留守番が楽しみなことです。