’99.12.25

近くの柴犬のことで、主人から聞いたお話をしましょう。
名前は佐助と言います。男の子ですがわたしは好きになれません。だって、お母さんとそばを通るたびにわたしのことを吠えるのです。そんな佐助君ですが、主人が言うには、通勤の途中に住んでいるのでよく見掛けるそうです。

いつも庭に長い紐でつながれており、玄関前の通りに座っています。通る人に吠えるでもなく、愛想を振り撒くでもなく、ただじっと人の流れを眺めています。中には通りすがりに、餌をやる人もいるそうですが、自分の餌箱にはドッグフードがいつも残っています。

そんな佐助君に友達が出来たようです。黒と白のまだら模様の猫ちゃんが佐助君の傍で寝ていると言うのです。佐助君はつながれているので、きっと猫ちゃんのほうで佐助君の友達になったのでしょう。
それは、端から見ていてもほのぼのとした気持ちにさせる良い光景だったようです。佐助君のニヒルな態度は変わっていませんが、猫ちゃんは佐助君の傍にいていかにも安心しているようでした。

そんな光景がしばらく見られたそうですが、ここのところまた佐助君一人いつものように玄関の前にじっと座っているそうです。猫ちゃんは又どこかへ行ってしまったのでしょう。
そして、前と同じように所在なく人の流れをながめているそうです。良いお正月がくると良いですがね。もちろんわたしにです。