’00.2.5

主人のぼやきが始まりました。こんな時はじっと素直に聞くに限ります。
以前にも吠える犬のことを聞かされましたが、今度もその吠える犬のことです。わたしも知っている仲間ですが、名前は「シロ」と言います。相変わらず黒っぽい背広姿で、かばんを持っている人に吠えているということです。

主人は通勤の行きかえりに「シロ」の家の前を通るのですが、決まって吠えられるそうです。主人の話では、その吠え方が以前にもまして激しくなったと言うのです。

わたし達はものを識別するのに、視覚、臭覚、聴覚を使いますが、どうも主人の話を聞くと「シロ」は臭覚と聴覚が殊のほか優れているようです。

先ず、視覚に入る5,6メータ手前から吠えるらしいのです。また傑作なことに、髪を洗って新しく整髪料をつけた朝に限っては更にもっと手前から吠え始めると言うからおかしいではありませんか。
寒い朝は間違い無く「シロ」の家の中で寝ているのでしょうが、そんな日は通りすぎて2,3メータ行きすぎたところで吠え始めると言いますから、大変なものです。

以前はそんな時、家の中から飼い主の叱る声がしていたようですが最近はあきらめてしまったのか、叱る声もしないようです。しかし困ったことですね。話を聞く限り、主人は「シロ」のターゲットの一人でしょう。
わたしには言えない理由が、主人にはあると想像しています。きっと。