’00.3.18

主人との散歩は、私にとってはあまり楽しいものではありません。ただもくもくと歩くだけのことが多いからです。ですから、散歩と言うよりも運動だと思うとあきらめもつきます。しかし、これに躾が入ると一寸厄介なことになります。

わたしはいつもの習慣から、主人の左について歩きます。どうも歩く時の、わたしの位置の納まりが悪いのです。大体わたしは、主人の左足より体半分くらい先を歩きます。ところが主人はいつもわたしに、もう少し下がれと指示するのです。主人の左足に、丁度わたしの鼻が来る位置で歩けといつも注意するのです。左足を見ながら、その足より後ろを歩けと言うのです。

わたしの立場から言うと、歩いていた時前から友達が来ると、さあどをしようと主人を見るのですが、少し前を歩かないと振り返れないのです。曲がり角にきた時もそうです。主人がどをするのか、やはり振り返って様子を見るのです。振り返るためには、体半分ぐらい前に出て歩くのが好都合なのですがね。

確かにわたし達の仲間で、そりでも引くような格好でリードを引っ張って歩いているのを見かけます。自分の好きな方向に、ご主人を引っ張っている様はいかにもみっともないです。それとはちがうんだけどな〜と思いながら、ぼんやりと歩いていると今度は急に立ち止まるのです。
おっといけない、勢いあまって先に突っ込んでしまいました。主人はこの時とばかり左足をたたき、「つけ」と言います。仕方なしに、ぐるりと主人を時計回りにまわって左足につきます。
  
「ほら見ろ、ラムが先に行くから止まることが分からないんだろう」
そう言って、主人は威張って歩き始めるのです。わたしは仕方なしに左足の後ろを歩きます。なんだか納まりが悪いんだよな〜。