’22.6.3
夕方6時前、阿部さんの奥さんから電話がある。今から来れるかという、すぐ行きますと返事をする。
帰りがけに奥さんが言う、今日医者が来た。帰ってからまた医者から電話があった、「どうですか」と言われたらしい。生きてるのが不思議くらい、本人は頑張っているという感じ。こんな会話を医者とするようだと、奥さんが私に電話してくるのもわかるような気がする。

阿部さんに会って、手を握って話をするがしっかりしている。背中が痛いという。
何と本人に声を掛けていいやら、話に困る。途中一瞬寝たような呼吸をするが、またすぐ覚醒するようだ。帰りがけ本人からまた会いに来てくれと言われる。
実はいろんなことが聞きたい。寝ていてどんなことを思ったり考えたりするのか。多分あの世とこの世を行ったり来たりしているのだろう。そんな時期のような気がする。そんな時、どんなことを思うのか。
まだ話は聞けそうなのだが、聞くのは奥さんの手前はばかられる。本当に聞きたいのだが。

帰りがけに奥さんに言った。万が一の時は、私を呼ばないでくれ。悲しくて会えない、ゆっくりしてから会いに来ると言った。奥さんは分かりましたと言った。握手をして、「頑張ってください」と言う。
玄関に置いた傘を持って帰るのを忘れた。自転車で取りに行く。風が冷たい。