ドッグショー会場に行くと、何面かのリンクがロープで仕切られて作られています。リンク毎に看板が立っていて、そのリンクで何グループの審査が行われるかが表示してあります。
お目当ての犬種がどのリンクで審査されるか、その看板をみればわかります。ただ見学をするだけであればそのリンクに陣取って、次から次に出陳される犬を見て楽しむことができます。

犬種はもとより性別それに何才になるかなど出陳された犬の素性を知って見ると、興味はもっと湧いてきます。さらにドッグショーはトーナメント方式の勝ち抜き戦ですので、どんな犬が今リンクの中で対戦しているのかを知るには、そのドッグショーの出陳犬目録が欠かせません。
出陳犬目録を買って、ハンドラーが付けているゼッケンと見比べながら犬を見ると、その犬の素性が分かってより興味深いものとなります。

ドッグショーに行ってここまでは私もするのですが、トーナメントがどんな具合に進行しているのか、ただ見ているだけでは皆目分かりません。
このコーナは、トーナメントがどういう形で進行するのか、JKCの刊行誌「家庭犬 ’03.3月号」を参考に、私なりに理解できるようまとめて見ました。ご参考になれば幸いです。
なお、ドッグショーはベビーマッチショー、パピーマッチショー、チャンピオンマッチショーとありますが、ここではチャンピオンマッチショーについてまとめています。



お目当ての犬種別トーナメントは、牡、牝別々に先ずクラス毎に行われます。出陳クラスは年令によって次のように区分されています。(いずれもショー開催の日からみて)

ジュニア:    生後9ヶ月1日以上15ヶ月以下
ヤングアダルト: 生後15ヶ月1日以上24ヶ月以下
アダルト:    生後24ヶ月1日以上
チャンピオン:   生後9ヶ月1日以上

クラス毎のトーナメントでそのクラスの出陳が1頭しかいない場合は、審査の結果失格にならなければそのクラスの一席となり、次のトーナメントに進めます。
各クラスの牡、牝の一席がWD、WBを目指して競います。そしてWD、WBが決まったところで、エントリーされたその犬種のCHの登場となります。CHを下してBOBに選出されることは名誉なことで、特にこのときのBOBをオーバースペシャルと言って称えます。  


出陳犬目録を見ると、ある犬種について単独システムで審査されると書かれている場合があります。全犬種展で一つの犬種だけで40頭以上の出陳がある場合に採用されるシステムです。
初めての時はなかなか分かりずらいですが、その犬種だけは単犬種展のトーナメントと同じ形式行われると思えば分かりやすいと思います。

単犬種展では牡のBOBに相当するのをベストドッグ(BD)、牝をベストビッチ(BB)と呼びます。さらにこの2頭によって、その単犬種展の最高栄誉であるベストインスペシャリティーショー(BISS)が競われます。BISSに選ばれなかった残りの1頭は、ベストオブオポジットセックス(BOS)が与えられ単犬種展は終わります。

しかし単独システムは、牡、牝のBOBを選出してから、さらにエクセレントグループ選出審査またはグループトーナメントに進むところが、単犬種展とは異なるところです。

単独システムのWD、WBには次席としておのおのリザーブ(R)が選出され、さらにそのまた次席にエクセレント(EX)の牡、牝が選出されます。
単犬種展でも同様にWD、WBのRとエクセレント(EX)の牡、牝が選出されます。


犬種別BOBが牡、牝で選出されたところで、ドッグショーの規模によってそのショーの最高栄誉であるベストインショー(BIS)の選出方法が違ってきます。

規模の大きいアジア展、FCI展、クラブ連合展では、BOBに選出された犬種の属するグループ内で審査が行われ、1席から3ないし4席が決定されます。そしてグループ1席同士で、そのショーのキングおよびクイーンが選出され、キング、クイーンによるベストインショーが競われます。

単独のクラブ展や犬種群展では、BOBに選出された犬の中から牡、牝とも13頭ないし6頭のエクセレントグループが選出され、その中からキング、クイーンが決定してベストインショーが選出されます。

(私なりに不明な点は、JKC本部 展覧会事業課に確認して記載しましたが、なお不明な点は直接お問い合わせください。Tel:03−3251−1652)



CHになるためのCCカード(Challenge Cartificate カード)について

交付対象の入賞と与えられるロゼット名 単シ 単展
EX (クラスに3頭以上の出陳がある場合の一席) なし
RWD・RWB (ウイナーズ審査までに3頭以上の出陳がある場合) なし
WD・WB (ウイナーズ審査までに3頭以上の出陳がある場合)
BOB (ブリード審査までに3頭以上の出陳がある場合)
EXG (当該犬がCHでない場合) _
全:全犬種展、 単:単独システム犬種、 単展:単犬種展

上記の通り入賞の場合にCCカードが付与(○印)されます。4年間の間にCCカード4枚を獲得するとチャンピオンになれます。
(内1枚はM.CCカードで、2名以上の審査員が発行したもの。M.CCカードはFCI展、連合会展、または320頭以上の全犬種展<出陳登録は400頭以上>、80頭以上の単犬種展<出陳登録は100頭以上>で発行される)
(例)
全犬種クラブ展で、出陳犬がクラスに一頭しかいなかった場合でも、その犬はBOBとなりEXG戦に出場の資格が与えられる。
EXG戦でEXGに選出される(13頭のピックアップに入る)と、その犬にはCCカードが付与される。

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