メタバースはいずこへ  '23.2.23

最近はワールド作りを卒業して、もっぱら仮想空間の中で知らないアバターとのコミュニケーションに努めている。正直な話この仮想空間のあそびのなかで、唯一有効と思うのはアバターを使ってのコミュニケーションと思っている。

2月22日の新聞をよんでいたら、「メタバースいずこへ」というショッキングな見出しの記事にであった。英国フィナンシャルタイムズの女性コラムニストの記事だ。

誰もがいつかは仮想空間「メタバース」でバーチャルな至福の人生を送るようになる。そして現実の平凡な人生と様々な身体的欲求、そしてパッとしない友達や家族を捨てていく。そんな時代がくると予想されていたことを覚えていただろうか。
最近のインターネット上での検索頻度を調べるグーグルトレンドに「メタバース」と打ち込むと、この言葉の検索件数が過去1年ほどで約80%減少していることが分かる。
最近は、莫大な資金を調達したければ、さりげなく「生成AI」という言葉を使った方が得策だ。文章や画像、その他のデータを「生み出す」ことができる人工知能(AI)のことで、このセクターに対するベンチャーキャピタル投資は2020年から22年にかけて425%急増している。
一方、米マイクロソフトは組織の立ち上げからわずか4か月で「インダストリアル・メタバース・チーム」を解散し、スタッフを100人解雇した。

メタバースには大きな問題がいくつかある。それはメタバースの定義について誰も合意できてないように思えることだ。著名な投資家にメタバースの定義を聞いたところ「メタバースについて考えるときは、インターネットと同じように考える必要がある。これは何か一つのものではない。すべてだ」と。これは「インターネットにブロックチェーンを加える」だけだと言っているようにおもえる。
最大の問題は、人は基本的に仮想空間をもとめていないことだ。ブロックチェーンで動く仮想世界に皆が一様に踏み込むわけではない。メタバースは本当の意味では始まってもいない。と同時に、既に終わってしまっていたのだ。

またしても「セカンドライフ」の再来を予言するような記事、これから「メタバース」はどうなるんだろうか。

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