*訓練預託

訓練をするため一定期間訓練所に愛犬を預託することについては、いろいろな犬のサイトで紹介されています。よかったと言われる方と、訓練所に入れてひどい犬になって帰ってきたと言われる方がいるのも事実です。

サリーの基礎的な訓練は、ラムの訓練で学んだ知識を活用して、家庭である程度まで教えることにしました。一通りのことを習得したサリーに、さて次に何を教えようかと迷いました。
比較的集中力があり、訓練の入れやすいサリーの能力をこのままにしておくのももったいないと、ラムの訓練士さんと相談して、始めたのが家庭内でちょっとした介助をする訓練でした。
この訓練も、3ヶ月足らずで一通りの基礎的なことをマスターすることができました。こんなサリーを見ていて、正直私は、このサリーの持っている能力を十分引き出してやることができるだろうかと思い始めました。そんな時、降天のドッグショーの初陣でした。

このドッグショーでBOBを取らなければ、次の目標として私の自己流の訓練で、訓練競技会に出れるくらいの訓練を入れてやろうと思っていました。サリーにどんな能力があるのか、ショードッグとしても可能性があるのか、私の知識では見当がつきません。それであればいっそのこと、訓練所でサリーの能力を見極め、引き出してもらったらどうだろうかと思い始めました。
幸い、初陣の時ハンドラーをしてくれた方が訓練所のオーナさんでもあり、ショードッグとしての可能性を見てもらえるのではないか。訓練を入れながら、サリーの可能性を見いだしてもらう預託訓練です。このことを訓練所に相談したら、快く趣旨に賛同をしていただき、訓練を引き受けてくれることになりました。

こうして、途中いくつかの考える中洲がありましたが、預託訓練への流れにのって、サリーを送り出すことにしました。果たしてサリーはどこに辿り着くのか。’03.1.11、國際犬訓練所での六ヶ月間の訓練の始まりです。(’03.1.9)
近況報告1> (’03.1.20)

サリーが預託訓練に入って10日が経ちました。初日は泣いたそうですが、二日目からは食事も普通にとって元気にしているとの連絡がありました。
そして10日経過したこの日、サリーのブリーダさんと同胎の兄3頭が訓練所を訪問して、サリーの様子を見て教えてくれました。久しぶりの身内の訪問で、サリーは大はしゃぎだったようです。

訓練所に入る前の食餌の与え方は、1才になるまではIAMSのラム&ライス子犬用を1日400g与えていました。1才になってからは、IAMSのラム&ライス成犬用を1日350gに変えました。
特段体つきが貧疎という感じではなかったのですが、食餌の量が少ないということで訓練所に入ってからは少し多く与えているということです。
大型犬の場合、成長は15ヶ月から18ヶ月、体が完全に出来上がるまでには3年掛かるとも言われています。食餌の与え方は、その子の体格と運動量によって変えていく必要があるのでしょうが、体を作っていくことも訓練の大きな目的ですので、ここは専門家のアドバイスが必要なようです。

訓練所の環境にはまだ十分慣れたとはいえないようですが、元気にしているとのこと、一安心です。
(写真はスプラッシー・ドッグのマスターとaichanさんのご好意で拝借しました)*
*近況報告2 (’03.2.10)

サリーちゃん、大変元気に過ごしております。
先日シャンプーをして体重を計りました。家の体重計によると29.5〜30kgでした。腰からしっぽにかけてふけがまだ気にはなりますが、11月のようなことは全くありません。少しづつでも良くなってくれること願っております。

メス組の中ではすでにフリーで歩いたり走ったりしています。10頭前後でフリーにしたりリードをつけて歩いたりしています。爆走するおそれがある時もあります。
生活リズム、犬メンバーそして私達スタッフにも誰にでもしっぽをふりふりで喜び、環境の変化には慣れたかと思いますが、まだやはり、発情が来ている犬がたまたま多いせいか、随分と他の犬のことが気になったり、ものすごく遊びたがったりします。リズムに乗るまでにもう少しかなあという所です。
サリーちゃんのショーの練習は、3月に2回地元(岐阜)でjkcのショーがありますので、そこへ連れていく予定でおります。

エサも550gから600g近く食べており、幼犬用のと成犬用を3:1位で混ぜております。もう少し幅が出て、4月の日本ch(PD)には32kgくらいで出したいと思っています。
他のワンちゃんと一緒に引き運動をしています。今は女の子で数頭、とても雰囲気の良い子達がおり、一緒に引いていると髣髴させられるほど堂々としており、うれしい限りです。
(國際犬訓練所からのメールから)
*近況報告3 (’03.2.18)

1ヶ月の様子
訓練所の生活環境に慣れるまでは、サリーちゃんとの信頼関係作りを中心にしてきました。
運動は、ショーに出る仲間達と一緒に引き運動や、排便の時間もすでにフリーで他のわんちゃんと一緒に走り回っています。(呼びのきかなかったり、興奮しすぎる子はリードで歩くのです)

少しづつですが、訓練の時間にも集中力が出てきました。サリーちゃんのはつらつとした明るさを大切に、楽しく厳しく一緒に頑張っていきたいと思います。
(國際犬訓練所からのメールから)

          訓練風景
(写真左上)  ’02.10.20(10ヶ月齢)自宅にて
(写真左下)  ’03.2(14ヶ月齢)訓練所にて
*近況報告4 (’03.3.19)

3/16に開催されたPDの春季中日本チャンピオン決定審査会に、訓練の一環として参加しました。会場は愛知県の岡崎中央総合公園で、サリーにとっては入所後はじめての出陳です。
訓練所の計画では4/19、20に東京都の江戸川河川敷で行われるPD日本チャンピオン決定審査会の出陳を当面の目標にしているとのこと。

出陳予定の一週間前ぐらいから前足をかばうような歩き方をしています。体重は30キロで変わりなく、食餌は一日600gを与えています。運動は特別多くはありませんが、食餌の量を400gに落とし安静にして様子を見ることにしました。そのほかはいたって元気な様子です。
日常はまだ他の犬と遊びたがること、伏せのコマンドでひっくりかえってお腹をみせること、トイレをすると立て続けにしたがること、注意すると御免ちゃいのポーズするなどのようです。

当日は前足の様子を見て出陳するかどうか決めることにして、岐阜の訓練所を出かけました。会場までの車の中ではおとなしく、前足も問題ないので予定通り出陳しました。
会場ではまだまだ落ち着きがなく出陳中もきょろきょろした態度でしたが、審査の結果は若犬牝組のRChに入賞できました。サリーにとっては、審査会の雰囲気を勉強するいい機会になったようです。
(訓練所からの電話より)

一言
PD中日本 若犬牝組出場
・チャンピオンR賞 受賞
付記:一緒に出陳して、同じ若犬牝組のRChに入賞したアリアドネofインターナショナル(’02.2.7生)は、4月
    に行われたPD日本CHで若犬牝組のCHを取りました。
*近況報告5 (’03.3.28)

今日はサリーが訓練所に入って初めての面会、果たしてサリーがどんなに変わったか、主人達を覚えてくれているか期待と不安を抱きながら訓練所を訪問しました。預託して2ヵ月半余りになります。
訓練所に入ってサリーに気付かれないようにして、訓練の様子を見学しました。訓練の場所には他に数頭の犬が同じように訓練をしています。
他の犬に気を取られることなく、先生のコマンドに集中できています。リードで引かれることなく、またフリーでもコマンドに従うことができるようです。訓練期間中に、できればCD3まで取得する計画とのこと。

訓練の見学が終わってご対面。けげんな様子で寄ってきたサリーは思い出してくれたようで、その後は手をなめたり飛び掛ってきたり喜んでいる様子に安心しました。
体つきはがっしりした感じで、筋肉質の締まった体になっています。フケも目立たない程治まっているようで、毛も気候のせいか長くなっているように思えます。やんちゃな性格は相変わらずです。
先生の話では、集中力はいまいちでまだまだ他の犬にかまうことが多い。やっと環境には慣れたようで、これから集中力がついてくると訓練も入りやすくなると思うとのことでした。



’03.3.28 訓練所にて
久しぶりのラムとツーショット お父さんと
訓練所面会記念に
*近況報告6(’03.5.9)

4月のPD日本チャンピオン審査会が終わって、また訓練所での生活に戻ったサリーの近況です。サリーの訓練所での次の出陳予定は、5月11日に開催される近畿ブロック協議会主催のFCIインターナショナルドッグショーです。

いよいよあさってになりました。今は訓練の方とショーの簡単な練習の日々です。
まだなかなか太ってはきません。脂肪分の少ない餌と彼女にはヨーグルトを必ず混ぜていて、これでかなり便の調子は良く、いい状態が続いています。
それと鳥のもも肉も混ぜています。やわらかい所で少し走るようにしましたので、筋肉もPDの日本CHの時よりかはついてきました。が、今日になって、また久しぶりにほんの少し前足を気にしだしたので、数日間は安静です。
ショーの方は走る距離がほんの少しですので大丈夫だと思います。彼女はとても元気にしておりますので、ご安心くださいませ。
(訓練所からのメールより)
*近況報告7 (’03.5.12)
近畿ブロック協議会主催のFCIインターナショナルドッグショーに出陳して

山田さん(ハンドラー)とサリーちゃんは思ったよりも、サリーちゃんも緊張せず、互いに非常に落ち着いてリングの中で良い感じでした。
昨日のショーに関しては、イギリス人のジャッジということで、イギリスより輸入された犬達や、イギリス系統の犬達のオンパレードで非常にレベルは高かったと思います。ですので、どのクラスも汗が出るくらいどの仔が選ばれるのかどきどきでした。
タイプとしては、ご自身が繁殖してみえるような、非常に硬くて強いタイプの犬達が選ばれていたように思います。

今のところ、食事面でも量としては500g近くやっているのですが、少しやせたイメージに見えます。いまはものすごく毛が抜けますのでそのせいもあると思います。足の方も少し安静が必要だと思いますので、辛抱どころです。

結果は残念でしたが、非常に厳しく念の入ったジャッジングだったと思いましたし、サリーちゃんもずいぶんとショーに慣れてきたように思います。
(訓練所からのメールより)
*近況報告8 (’03.5.24)

その後前足の状態は、日によって良かったり悪かったりが続いているようで、レントゲンを撮って診てもらうことになりました。以下は訓練所からの検査の連絡です。

昨日気になる前足を、レントゲンを撮って細かく検査しました。レントゲンの結果を診る限り異常が見当たらないので、念のため正常な状態と比較して色んな角度から検査しましたが、結果は悪いところはありませんでした。
ついでに股関節も確認しましたが全く異常がなく、繁殖のための股関節正常の証明も受けました。
原因は、現在行っている1mの障害飛越訓練によるものとも考えられるので、様子を見たいと考えています。

幸い骨には異常なく、少し安静にして様子をみることになりました。訓練所からの連絡では、残り一ヶ月余りのなかで、可能な限りの訓練資格を取得していく予定とのことです。
*近況報告9 (’03.6.6)

JKCの試験を(5月)29日に受験しました。CD1と2です。少しびっこを引いたことと、伏せの際、足を崩してしまったことが残念でしたが、落ち着いてできたと思います。

その日の足の様子が心配だったので、獣医さんよりいただいていた、関節の痛み止めの薬(リマダイヤル)の投与を31日より始めました。しかし、実際のところ、なぜか試験が終わった後より、気分的にか、随分と軽い症状しかでていません。
ですので、薬が効いているのかは100%ではないのですが、もしかしたら、試験等のプレッシャーを感じ、オーバーアクションだったのかもしれないと最近ではものすごく感じております。なんといっても賢いサリーちゃんですから。
今は非常に調子が良いので、本当につらい所ですが、がまんで、運動制限させています。

訓練の方は、選別を教えています。探せというコマンドを少し彼女なりに吸収している所です。布を銜えることは問題なくクリアーしていますので、この1週間でどの位覚えてくれるか楽しみです。

訓練試験の説明
私達でサリーちゃんの訓練試験を受けているものを説明いたします。
まず、ご承知のとおり、PD(日本警察犬協会)とJKC(ジャパンケネルクラブ)と2つの団体に所属しており、それぞれの協会の試験をそれぞれ受験するというものです。

JKCはこの間受けました。CDというのは、companion dog から来ており、家庭犬訓練というものです。初等科(5科目)、中等科(10科目)受けます。
例えば、脚側行進紐付き、紐なし、座れからの称呼、伏せ、立止で5科目といった具合です。高等科については、科目数も増え、サリーちゃんの足の状態を見て、受験できそうなら受けたいと思っております。

PDの方は、JKCでいうと、中等科の試験の内容にプラスして、追求作業や選別作業といった科目があります。ですので当然、普通の4ヶ月コースでは時間が足りないといった所です。

4月に参加した、日本CHですが、成犬となるクラスは、この試験を受けていること、そして種犬認定という、ラブの担当の先生に、歩様や、体のサイズをチェックしてもらうことも必要となります。
この認定は、私達のところに来て下さる、試験の審査員の先生はシェパード担当ですので、どこかで競技会等がある時に他の先生にお願いをするという形になります。
これについては、こちらでもできればやっておきたいと思っておりますので、先生の調整など、もう少しお待ちいただければと思っております。どうしても無理な場合は、そちらへ戻ってからでもできるよう、手配いたします。

こういう機会がないと、これらの事は非常に面倒ですので、なるべく訓練所にいる時にできるものはやっておきたいと思いますので、どうぞご理解をお願いいたします。

彼女については、この薬があと4日程で終わります。その後どうなるかよく見ていきたいと思っております。が、今の所、非常に元気で、リードを放せば、もうダッシュしてしまいそうなくらいな勢いです。サークルから出す際も、向かってきます!!!
(訓練所からのメールより)
*近況報告10 (’03.6.18)

サリーちゃんは相変わらず元気です。訓練も順調に進んでいると思います。
試験等の日程も訓練の進み具合(他に受験する犬も含み)にもよりますので、ぎりぎりになると思います。

前足の方も順調で、薬をストップさせてからも変わりはありません。日本CHの時や、ショーの前で痛める前のかなり良くなってきた状態と同じ位だと思います。しかし、調子に乗ると、前回同様となりうる可能性もあり、押さえながら管理しています。
彼女も私が走らせたくないのが分かっている様子で、ストップがかかるのも考慮しながらほんの少しのフリーも楽しんでいます。換毛もほぼ終わりました。
(訓練所からのメールより)

サリーの訓練期間も3週間を残すのみとなりました。訓練試験はJKCのCD1、CD2を受け、予定では訓練終了までにPDの試験を受験する予定です。
戻ってくる時期が近づくにつれ、また私達の家族の一員になるまでには、それなりの時間がかかるのだろし、環境に慣れるのにストレスも掛かるだろうと案じています。
サリーとの係わりについて、距離と時間をかけて考えることができたのは私にとっても良かったと思っています。帰ってくるまでの時間、サリーとこれからどう付き合っていくか、少しばかり夢を膨らませて見たいと思います。
*近況報告11 (’03.6.29)

PDの試験を来週の金曜日(注:7/4)にいたしました。

サリーちゃん、いわれましたように、発情が近いのかもしれません(注:最初のヒートは’02.12.10頃でした)。といいますのは、妙に他の子と遊びたがります。次女らしさをフル発揮しており、相手が見つかると、2匹でごろごろしたり、あごの裏を噛んでみたり、急に子供のように遊びたがってきました。

足はすこぶる順調で、少し飛台の方も低くして練習しています。何せ、急に前のように戻っては元も子もないので、走らせることは制限しています。が、それ以外は本当に元気も良く、恐ろしいくらいですのでどうぞご安心くださいませ。
(訓練所からのメールより)

サリーの引き取りは7月の第2週にすることにしました。
*訓練預託終了 (’03.7.10)

6ヶ月間に亘る訓練預託が終了しました。サリーを預託する目的は、訓練にしろショードッグにしろサリーにその能力があるのか、私には判断をするだけの知識を持ち合わせてないこともあって、その見極めと能力を引き出すためのものでした。

ショードッグとしての資質については、訓練期間中PDの審査会に2回、JKCのドッグショーに1回出陳しました。成績は個々に報告の通りあまり芳しいものではありませんでしたが、特段資質に問題があるということでもなさそうです。
いつもの私の独断と偏見から言わしてもらうなら、ドッグショーの出来不出来は、タイミングと主観と幸運が結果をもたらすと決めて掛かって、サリーのような家庭犬を出陳することは、ショーに自ら参加することでショーを一層楽しむということを目的に、出陳するのがいいようです。

訓練の能力は、訓練課目が出来るか出来ないかの客観的な判断が可能です。訓練期間中、サリーはJKCのCD1、CD2とPDのPAH1をパスすることができました。6ヶ月の訓練期間の成果としては標準で、訓練能力はあるようです。
しかし問題は、サリーに訓練をした訓練士さんがサリーを引いたからパスしたのであって、いま私がサリーを引いても、訓練試験のパスはおろか思い通りすら動いてくれないでしょう。

この訓練預託の成果でJKCのドッグショーはもとより、PDの日本チャンピオン決定審査会にも成犬(2才以上)として、種犬認定を取るだけで出陳できるようになりました。サリーについた能力を引き出すために、今度は私が訓練をする番です。
これからはサリーと一緒にショーを楽しむためのオーナーハンドラーの訓練、私が引いてJKCのCD3が合格できる訓練を目標に、サリーに教えてもらいながら頑張って行きたいと思っているところです。
学び舎の玄関 卒業記念にオーナさんと訓練士さんと
わき目もふらずスタックを決める 自然体のフリースタンディング

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