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訓練の応用

人間との共生で、その時々に愛犬が飼い主の期待する行動をとってくれれば、どれほど素敵なことでしょう。
しかし家庭犬訓練を重ねても、犬自らが判断して飼い主の期待する行動をとることができるようになるかは疑問です。訓練は、コマンドに従って犬を行動するように教えるからです。「しつけ」と「訓練」の大きな違いは、ここにあるように思います。

しかし日常生活で、愛犬をコマンドで飼い主の期待する行動をとらせることは、それだけでも犬との共生は快適なものとなるでしょう。家庭犬の訓練の意義は、実はここにあるのではないでしょうか。
愛犬が訓練モードにならなくても訓練の応用ができる、これこそが日頃の訓練の賜物だと思います。

サリーと散歩の途中、ちょっと脇道をして野球グラウンドに入りました。幸い誰もいないのを確認して、フリーにしてみました。
喜んで飛んで走っていくわけでもなく、私に付かず離れずで匂いを拾いながら前を歩いて行きます。多分遠くで他の犬が入ってくると、犬のところに飛んで行く雰囲気です。
これが「つけ」のコマンドを出すことによって、脚側行進をするようになります。他の犬が来ても飛んで行くことはないでしょう。(実際のところは分かりませんが・・・、そう信じるにたる雰囲気を感じます)

裏の原っぱではよくボール遊びをします。投げたボールを拾ってくるばかりではつまらないので、「すわれ」のコマンドでサリーを待たせ、原っぱの隅の草むらにボールを隠します。
何箇所かに隠した振りをしてサリーのところに戻り、両の手を開いてボールを持ってないことを見せ、「とってこい」でボールを探させます。
たいていは見つけ出すのですが、どうしても見つけ出せない時は「まえ(前)」のコマンドを出します。あれだけ不得手な「まえ」のコマンドですが、目的があるとちゃんと前進するから不思議です。
そうやってボールの隠してある場所の近くに誘導してやると、後は匂いを頼りにちゃんと見つけ出すことができます。「まえ」のコマンドの応用で、犬を目的の場所に誘導することができました。

科目の訓練を毎日きちっとしてないので、動作にはメリハリがありませんが何をしなければならないかは覚えています。
コマンドが解除されるまでは勝手な行動はしてはいけない、そんな訓練の応用は愛犬を危険から守る意味でも有用です。