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遊びの活用

「遊びと訓練」のテーマでは、サリーが訓練の練習にあまり喜びを感じない頃、遊びを通して練習することによって喜求性が出てきたことを書いています。その頃のサリーは、私と一緒に練習モードに入るととたんに元気がなくなったのです。
5才になった今のサリーは、外で私と一緒にいると今から何をするんだろうとでも言うように、興味津々で私に注目します。預託訓練から帰ってきた2才の頃のサリーと比べると、今のサリーが彼女本来の性格のように思います。

散歩の途中の公園で、ご主人と嬉々として遊んでいる犬を見かけます。ボールを追っかけて走り回る犬、主人を追っかけて喜んでいる犬、見ているといずれも主人のやることに注目して遊んでいます。
こんな犬の様子を見て、もったいないなと思います。この犬の喜求欲を利用して、主人に対する服従訓練を教えてやればどれほど上達するだろうと思うからです。

犬に服従訓練を教える前に必要なことは、犬が指導手に対してどれだけ興味をもつかだと思います。
かつてのサリーが私に対してそうであったように、犬に対してこの人は「私にとって楽しいことをしてくれる人」だと思わせることが大切です。
だいたい主人に興味を持っている犬よりも、主人を無視して自分勝手な行動をする犬の方を多く見かけます。この状態では、犬に服従訓練を入れることは難しいでしょう。
犬が興味を持つ主人になるには、徹底してかつ真剣に犬と遊んでやることです。犬が喜ぶおやつのように、犬に喜ばれる主人になることです。

かつて私はサリーは訓練やドッグショーがおもしろくない、嫌いな犬ではないかと真剣に思ったことがありました。そんなことを、「訓練」や「ドッグショー」のコーナーで書いたことがあります。
今思えば、訓練やドッグショーが嫌いなのではなく、私と一緒にすることが面白くなかったのではないかと考えています。
主人と遊びたい犬はただ遊ぶのではもったいない、主人に服従することを教えてこそ犬との信頼が一層増して、別次元の犬とのコミュニケーションができるようになると思っています。