サリーの介助訓練 2

’02.7.22

「テイク」の基本訓練で、ダンベルをくわえることを教えました。
「テイク」でダンベルのタコひもを巻いた中央部分をくわえ、ダンベルの端を叩いて落ちそうになってもしっかりくわえて居れる訓練は、一週間の結果完璧にできるようになりました。
「テイク」と言っても逃げる事もなく、寝そべってコマンドからエスケープすることもなくなりました。

次ぎの訓練のメニューは、「テイク」のコマンドに反応してダンベルがどんな状態にあっても、コマンドがでると自分からダンベルをくわえに行く訓練です。

今まで「テイク」と言うと、遊び道具をよろこんでくわえに飛んで行ったサリー、このメニューもいとも簡単にやってくれるものと思っていました。
しかしそういえば、今までの「テイク」の基本訓練では、ダンベルを鼻面に持ってくわえさせ、「アウト」のコマンドでダンベルを口から出す訓練でした。「テイク」のコマンドで、自分からはダンベルをくわえに行く事をしなかったことに気が付きました。

メニューの通りダンベルを口に持って行き、開いた口にダンベルをくわえさせることは完璧にできます。しかしこれも意外や意外、「テイク」と言っても自分からダンベルをくわえに行こうとはしません。鼻面にもっていくとそっと口を開けますが、決して自分からダンベルをくわえに行こうとはしないのです。
「テイク」のコマンドを出してもじっとしているサリーの鼻をつまみ、口を開けた所でダンベルを口にくわえさせます。「テイク」と言いながらくわえたことをほめてやります。

「テイク」のコマンドでダンベルをくわえなければ鼻をつままれる、つままれるのは嫌だから「テイク」と言われたらダンベルをくわえにいく、くわえるとほめられるので「テイク」のコマンドがでたらダンベルをくわえに行く、こんな因果で自分からダンベルをくわえに行くことを憶えます。
初めのうちは「テイク」のコマンドが出ると、躊躇するような仕草をします。見てて、迷ってるな、考えているなって感じですが、この考えている間は大切にしてやります。
いくつかの行動の選択肢の中から、コマンドで何を要求されているか、何をすれば嫌な思いをしなくてすむか、正に考えている時間だからです。正しい行動をした時はほめられる、間違った行動をした時は嫌な思いをする。このことの繰り返しで、緊張感をもって正しい行動を確実にするようになります。

余談ですが、「テイク」のコマンドで自分からダンベルをくわえた時は、「アウト」のコマンドで今まですんなり口からだしていたダンベルをなかなか出しません。サリーにも根性があるんだなって感心しました。
ダンベルをくわえた所で「テイク」と言いながら、脚側進行をしたり、座らせたりのバラエティを付け加えます。更に「テイク」の対象もダンベルだけでなく、新聞紙、ティッシュ箱、布切れと対象を増やしていくと良いでしょう。

「テイク」のコマンドで自分からダンベルをくわえる事ができるようになったら、ダンベルが鼻先より遠くにあったり、下に置かれていたり、縦になっていたりとどんな状態であっても、ちゃんと自分からくわえにいくことができるように訓練を重ねて行きます。

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