サリーの介助訓練 5−2

’02.8.18

フックをはずして前に押せば開くドアは、空振りすることなくできるようになりました。次ぎは引き戸を開けることの訓練です。
この訓練では、引っ張ると開くということを教えてやることにしました。引っ張るいう行為は、いろんな所で役に立つからです。そのために、市販の遊びグッツである端が丸く括られているロープを使うことにしました。

サリーがこのロープの丸くなった所をくわえて引っ張ることで引き戸が開くように、もう一方の端を吸盤で引き戸にくっつけました。
引き戸の仕掛けができた所で、ロープの丸い所をくわえて引っ張る練習です。この動作をさせるコマンドを「プル」と言うことにします。

テイクでロープの丸い所をくわえさせ、「プル」で引っ張らせる訓練です。くわえてから私がロープを引っ張ると、得意になってロープを引き返します。すかさず「プル、プル」とコマンドを教えます。
しかし私がロープを引っ張るのを止めると、サリーもくわえるのを止めロープを口から放してしまう、またくわえた後私がロープを引っ張らないとサリーはロープを放してしまう、という行動をするのです。

「プル」のコマンドは静止状態のロープを引っ張る行動ですから、このことを分からせる必要があります。
テイクでくわえた後、下あごを上に押してやりながら「プル、プル」と言って、こんどはロープをたるませた状態であごをサリーの方に押してやります。サリーは仕方なく後すざりする状態になりますが、またすかさず「プル、プル」と言います。
このことを何回か繰り返す内に、私がロープを引っ張らないでも自分から引っ張ることを憶えます。

「プル」でロープを引くことが分かったところで、次ぎは引き戸に付けたロープを引っ張る訓練です。
ロープを引っ張ると引き戸は開きますが、サリーは引き戸を開けるということはまだ理解できていません。ただただ[プル」でロープを引っ張るだけです。
ロープのある状態が違うので、「プル」と言っても手で持っていたようにはなかなか引っ張ってくれません。その時はロープを引き戸からはなして、また手で持った状態で「プル」の練習です。

この繰り返しで、引き戸に掛けたロープを引っ張ることが出来るようになりました。引き戸は引っ張られることによって開きます。
次ぎは、ロープを引っ張れば引き戸が開くことを理解させてやりたいと思います。

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