サリーの介助訓練 6−1

’02.9.10

前後に開く普通のドアを開けることが出来るようになったサリーに、居間のドアを開ける訓練をしました。
居間のドアは、玄関のドアと同じようにある所まで開けると開いた状態を保持し、そこから少し閉めると強制的にしまる開閉器が付いています。
このドアを内側から引っ張って、開ける訓練をしようというものです。開けるのに力がいると共に、広く開けないとすぐ閉まってしまう、サリーにとっては厄介なドアです。

取っ手にロープを付けて、ロープを下に引いて、取っ手を下に下ろしてから引っ張らないと開きません。何回かやるうちに、ドアを開けることはできますがすぐ閉まってしまいます。そのうちあきらめて、ドアの前に座って固まってしまいました。
オープンと言っても耳を後ろに倒し、小さくなるばかりです。障害をまえにして、困っていることが良く分かります。

ドアの向こうに楽しみがあるように、おやつを入れた袋を置きました。しょげているサリーのテンションを上げてやらなくてはなりません。
胸を叩いて元気付けてやり、ロープを持ってプル、プルと誘ってやります。だんだんとテンションが上がった状態で、ロープを指差してオープンのコマンドを出します。前よりも元気良く引っ張りますが、また閉まってしまいます。
困難な状態にあっても、何とか困難を乗り越えて目的を達成する、そんな訓練の意味も含んでいるので、ここは何としてもドアの向こうの袋を取らしてやらねばなりません。

テンションが上がるに連れ引っ張る力もつよくなりました。ドアも広く開くようになり、閉まるよりも早く体をドアの開いた間に入れることができました。
一度成功すると後はこの繰り返し、困難を乗り越えて、ドアの向こうの袋をテイクすることができるようになりました。別の開いたドアから、袋をテイクして帰ってきたサリーを精一杯ほめてやりました。

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